出類抜萃

スポンサーリンク
四字熟語 故事成語
出類抜萃
(しゅつるいばっすい)
異形:出類抜粋

9文字の言葉し・じ」から始まる言葉

多くの人の中に紛れていても、ひとたび実力を発揮すれば誰の目にも明らかであるほど優れた人物。そのような飛び抜けた才能や人物を指して使われる言葉です。

「出類抜萃」の意味

多くのものの中から、特別に抜きん出て優れていることを意味します。並外れて優秀な人物を賞賛する際によく使われます。

この四字熟語は、前半と後半の2文字ずつに分けて考えると意味が捉えやすくなります。

  • 出類(しゅつるい):同類の仲間から抜け出ること。
  • 抜萃(ばっすい):「萃」は草むら、転じて「集まり」の意味。多くのものが集まっている中から抜きん出ること。

つまり、単に優れているだけでなく、「同等の集団から頭一つ抜けている」という圧倒的な差を強調する言葉です。

「出類抜萃」の語源・由来

古代中国の思想書『孟子』に記された一節に由来します。

戦国時代、儒教の思想家である孟子が、弟子から「先生(孟子)と孔子ではどちらが優れているか」と問われた際、尊敬する孔子を絶賛して答えた言葉の中に登場します。

孟子は「麒麟は他の獣より、鳳凰は他の鳥より、泰山は他の丘より優れている」と例を挙げた上で、孔子について次のように語りました。

其の類より出で、其の萃を抜く
(そのるいよりいで、そのすいをぬく)

これは「聖人は私たちと同じ人間ではあるが、その中でも孔子は仲間から抜け出し、集団から抜きん出て高みに達している」という意味です。
この故事から、並外れて優れた人物を指して「出類抜萃」と言うようになりました。

「出類抜萃」の使い方・例文

日常会話で頻繁に使われる言葉ではありませんが、ビジネスシーンや公的な場で、傑出した成果を上げた人物や、他を圧倒する才能を紹介・評価する際に用いられます。

例文

  • 彼のプログラミング技術は社内でも「出類抜萃」であり、右に出る者はいない。
  • 数多くの応募作品の中でも、彼女の小説は構成力において「出類抜萃」の出来栄えだった。
  • まさに「出類抜萃」の働きを見せた彼こそ、今回のプロジェクトリーダーにふさわしい。

「出類抜萃」の類義語

優れた人物を表す言葉は他にもありますが、それぞれニュアンスが異なります。

  • 群鶏一鶴(ぐんけいいっかく)
    多くの凡人(鶏)の中に、一人だけ優れた人(鶴)が混じっていること。「出類抜萃」と非常に近い意味ですが、周囲との対比(凡人と英雄)の色彩がより強い言葉です。
  • 出藍の誉れ(しゅつらんのほまれ)
    弟子が師匠よりも優れること。「青は藍より出でて藍より青し」に由来し、師弟関係や成長の文脈で使われる点が異なります。
  • 超群絶倫(ちょうぐんぜつりん)
    群を抜き、並ぶものがいないほど優れていること。「絶倫」は抜群に優れているという意味です。

「出類抜萃」の対義語

  • 有象無象(うぞうむぞう)
    世の中にいくらでもいる、つまらない人や物。数ばかり多くて役に立たない集団を指します。
  • 十人並み(じゅうにんなみ)
    才能や容姿などが、世間一般の平均的な水準であること。

「出類抜萃」の英語表現

英語で「群を抜いて優れている」というニュアンスを伝える表現です。

outstanding

  • 意味:「傑出した」「目立った」
  • 解説:最も一般的で、良い意味で目立って優れていることを表します。
  • 例文:
    He is an outstanding painter.
    (彼は傑出した画家だ。)

stand head and shoulders above

  • 意味:「〜よりはるかに優れている」
  • 解説:文字通り「頭と肩の分だけ背が高い」というイメージから、他者よりも一段と抜きん出ていることを強調する慣用句です。
  • 例文:
    She stands head and shoulders above the other candidates.
    (彼女は他の候補者たちよりもはるかに優れている。)

「出類抜萃」に関する豆知識

「抜萃」と「抜粋」の漢字の違い

現在では「出類抜粋」と書かれることも多く、辞書によっては許容されています。しかし、本来の漢字は「抜萃」です。

  • (すい):草が群がり生える様子、集まること。
  • (すい):混じり気がない、優れていること。

一般的な「抜粋(書物などから要点を抜き出す)」という言葉には「粋」が使われますが、この四字熟語の由来である「草むら(群衆)から抜け出す」というイメージを大切にするならば、「萃」の字が持つ意味合いを知っておくとより理解が深まるでしょう。

まとめ – 出類抜萃から学ぶ知恵

「出類抜萃」は、単なる能力の高さだけでなく、多くの人々の中で際立つ圧倒的な存在感を表す言葉です。

孟子が孔子をそう評したように、誰かを心から尊敬し、その素晴らしさを称える言葉としても使えます。あるいは、自分自身が何かの分野で「群を抜く」ことを目指す際の、高い志を表す指針となる言葉と言えるかもしれません。

スポンサーリンク

コメント