十八番

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慣用句 三字熟語
十八番
(おはこ)
異形:じゅうはちばん

3文字の言葉」から始まる言葉
三字熟語 【個別】ことわざ・慣用句・四字熟語

宴席で場を盛り上げる持ちネタを披露したり、得意料理で家族を笑顔にしたり。
自分が最も得意としていて、「これなら任せて」と胸を張れる特技や芸のことを、
「十八番」(おはこ)と言います。

意味・教訓

「十八番」とは、その人が最も得意とする芸や技、または好んで演じる出し物のことです。
一般的には「おはこ」と読みますが、「じゅうはちばん」と読むこともあります。

語源・由来

「十八番」の由来は、江戸時代の歌舞伎の名門である市川家に伝わる「歌舞伎十八番」にあるという説が有力です。
七代目市川團十郎が、代々の市川家が最も得意とした18の演目を選定し、公表しました。
これらの演目の台本を大切に箱に入れて保管したことから、自慢の芸を「おはこ」と呼ぶようになったと言われています。

また、古くから日本では「武芸十八般」のように、物事の全般や極致を「十八」という数字で表す習慣がありました。
仏教においても阿弥陀如来の「第十八願」が最も重要とされるなど、この数字が特別な意味を持っていたことも背景にあると考えられます。

使い方・例文

趣味や特技だけでなく、その人の性格や習慣を象徴するような「いつもの得意なパターン」を指して用いられます。

例文

  • 彼はカラオケに行くと、必ず十八番の演歌を最後に歌い上げる。
  • 母の十八番は、特製スパイスを数種類ブレンドして作るチキンカレーだ。
  • 窮地に陥ると鮮やかな逆転劇を見せるのが、彼の将棋の十八番である。
  • どんなに忙しくても笑顔を絶やさず、周囲を和ませるのが彼女の十八番だ。

文学作品・メディアでの使用例

『吾輩は猫である』(夏目漱石)

明治時代の知識人の日常をユーモラスに描いた本作の中で、登場人物の趣味を表現する際にこの言葉が登場します。

…それからヴァイオリンを弾くのが彼の十八番でね。

類義語・関連語

「十八番」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 真骨頂(しんこっちょう):
    その人が持つ本来の姿や、最も優れた価値が発揮されている状態。
  • 専売特許(せんばいとっきょ):
    その人だけが得意とする、独自の得意技や特徴のこと。
  • 得手(えて):
    自分にとって得意なこと。

対義語

「十八番」とは対照的な意味を持つ言葉は、以下の通りです。

  • 不得手(ふえて):
    得意ではなく、上手く扱えないこと。
  • 苦手(にがて):
    自分にとって得意ではなく、避びたいと感じる事柄。

英語表現

「十八番」を英語で表現する場合、その人の「強み」や「専門」を強調する言葉が使われます。

forte

「得意分野」「長所」
その人が最も自信を持っている分野や、技術的に優れていることを指します。

  • 例文:
    Singing is my forte.
    歌うことは私の十八番だ。

specialty

「専門」「得意料理」
特定の専門領域や、レストランなどの得意な一品を指す際に適しています。

  • 例文:
    This apple pie is my grandmother’s specialty.
    このアップルパイは祖母の十八番だ。

まとめ

「十八番」は、自分を際立たせ、周りの人たちを喜ばせることもできる得意な技や持ち味を指す言葉です。
それは単に「できる」というだけでなく、その人が長い年月をかけて培ってきた自信と思い入れの証とも言えます。
日々の暮らしの中で自分ならではの「十八番」を見つけ、丁寧に磨いていくことは、人生をより彩り豊かなものにしてくれるでしょう。

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