慣用句

一笑に付す

(いっしょうにふす)

笑いぐさとして片づけ、取り合わないこと。ばかにして、まともに相手にしないこと。

異形:一笑に付する

8文字の言葉 / 「い」から始まる言葉
一笑に付す ことば
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意味

「一笑に付す(いっしょうにふす)」とは、笑って問題にしないという意味です。
取るに足りないものとして軽く扱い、まともに相手にしない気持ちも含みます。

語源・由来

この言葉の「一笑」は、一つの笑いぐさという意味です。
話や考えを笑いぐさとして扱い、それ以上取り合わないことを「一笑に付す」と言います。
「付す」は「付する」が変化した形で、「一笑に付する」とも言います。

使い方・例文

  • 新しい行事の案を出したが、委員会では一笑に付されてしまった。
  • 宇宙人を見たという弟の話を、父は新聞を読みながら一笑に付した。
  • 子どもの「おなかが痛い」という訴えを一笑に付さず、早めに病院で診てもらおう。

『浮雲』で自分の心配を一笑に付そうとする場面

『浮雲うきぐも』(二葉亭四迷ふたばていしめい)で、主人公の文三ぶんぞうが、お勢を疑ってしまった自分を恥じる場面です。
文三ぶんぞうは、帰ってきたお勢にすべて話して笑い話にしようと考えますが、お勢がうれしそうに本田昇の話をするので、その心づもりは外れてしまいます。

つまらぬ心配をした事を全然すっぱり咄はなして、快よく一笑に付して、心の清いところを見せて、お勢に……お勢に……感信させて、そして自家じぶんも安心しようという文三の胸算用むなざんようは、ここに至ッてガラリ外れた。
(つまらない心配をしたことをすっかり話し、気持ちよく笑って済ませ、やましさの無い心を見せてお勢に信じてもらい、自分も安心しようという文三の心づもりは、ここですっかり外れた。)

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類義語・関連語

どれも、人や物事を軽く扱って取り合わない言い方です。

  • 笑い飛ばす(わらいとばす):
    笑って済ませ、問題にしないこと。
    意味はほぼ同じ。
  • 歯牙にも掛けない(しがにもかけない):
    まったく問題にせず、無視して相手にしないこと。
    笑うという動作は含まない。
  • 鼻であしらう(はなであしらう):
    相手の言葉にろくに応じず、冷たく扱うこと。
    笑いではなく、そっけない態度で退ける言い方。

英語表現

laugh off

嫌なことや批判を笑ってみせ、たいしたことではないように扱う表現。

The mayor laughed off the rumor about his resignation.
(市長は、自分が辞任するといううわさを一笑に付した。)

「破顔一笑」などの「一笑」は笑うこと

「一笑」の字は四字熟語にも出てきますが、次の三つでは笑いぐさではなく、実際に笑うことを指します。
「破顔一笑」は、顔をほころばせてにっこり笑うことです。
「一顰一笑」は、顔をしかめたり笑ったりすることで、ちょっとした表情の変化や、人の機嫌を表します。
「一笑千金」は、ひとたび笑えば千金の値打ちがあるという意味で、美人の笑顔をたたえる言葉です。

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