ヘビやカエル、トカゲといった爬虫類や両生類は、時に恐れられ、時に親しまれながら、様々な文化や伝承の中で特徴的な存在として描かれてきました。
その姿や生態から、日本語にも多くのことわざ、慣用句、故事成語、四字熟語が生まれています。
本記事では、そんな爬虫類・両生類にまつわる有名な言葉を集め、生物の種類別に分類し、意味とともにご紹介します。
蛇(ヘビ・ジャ)のことば
蛇とは?
爬虫類の一種で、細長い体と鱗を持つのが特徴。多くの文化で、畏怖や再生、知恵、あるいは邪悪さの象徴とされてきました。
「蛇」に関することわざ
- 蛇の道は蛇(じゃのみちはへび):
同類の者がやることは、同じ仲間にはよくわかるということ。 - 藪をつついて蛇を出す(やぶをつついてへびをだす):
余計なことをして、かえって自分にとって良くない結果や災いを招くことのたとえ。「やぶへび」。
「蛇」に関する慣用句
- 蛇に睨まれた蛙(へびににらまれたかえる):
非常に恐ろしい相手を前にして、身がすくんで動けなくなることのたとえ。 - 長蛇の列(ちょうだのれつ):
蛇のように長く、うねうねと続く行列のこと。 - 蛇蝎の如く嫌う(だかつのごとくきらう):
蛇やサソリ(蝎)のように、非常に強く嫌うこと。激しい嫌悪感を持つさま。
「蛇」に関する故事成語
- 蛇足(だそく):
蛇の絵に足を描き加えたがために、かえって絵を台無しにした故事から、余計な付け足し、なくても良いもののたとえ。 - 杯中の蛇影(はいちゅうのだえい):
杯に映った弓の影を蛇と見間違えて病気になった故事から、疑いの心が生じると、何でもないことまで恐ろしく思えてくること。「疑心暗鬼」類。 - 打草驚蛇(だそうきょうだ):
草むらを打って蛇を驚かせるように、一方を罰することで、他方に警告を与え、戒めること。(兵法三十六計の一つ)
「蛇」に関する四字熟語
- 竜頭蛇尾(りゅうとうだび):
初めは竜のように勢いが盛んだが、終わりは蛇のように尻すぼみになること。
蛙(カエル・カワズ)のことば
蛙とは?
両生類の一種で、水辺を好み、跳躍力に優れています。その鳴き声や生態から、様々な言葉や物語に登場します。
「蛙」に関することわざ
- 井の中の蛙大海を知らず(いのなかのかわずたいかいをしらず):
狭い世界に閉じこもっていて、広い世界の存在を知らないこと。見識が狭いことのたとえ。(故事由来) - 蛙の子は蛙(かえるのこはかえる):
子は親の性質や能力を受け継ぐもので、凡人の子は凡人にしかならないということ。
「蛙」に関する慣用句
- 蛙の面に水(かえるのつらにみず):
蛙の顔に水がかかっても平気なように、どんな仕打ちを受けても全く気にかけず、平然としていること。
トカゲのことば
トカゲとは?
爬虫類の一種。多くは四肢を持ち、素早く動きます。危険が迫ると自ら尾を切って逃げる種類がいることで知られています。
「トカゲ」に関する慣用句
- トカゲの尻尾切り(とかげのしっぽきり):
トカゲが尾を切って逃げるように、問題が起きた際に、組織全体を守るために末端の者や一部の者に責任を負わせて切り捨てること。
まとめ
ヘビ、カエル、トカゲといった爬虫類や両生類は、その独特な姿や生態から、畏敬や嫌悪、あるいはユーモラスなイメージを伴って言葉の中に登場します。
「蛇足」や「井の中の蛙」のように広く使われる言葉も多く、これらの表現を知ることで、比喩表現の面白さや奥深さを感じることができますね。
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