瑠璃も玻璃も照らせば光る

ことわざ
瑠璃も玻璃も照らせば光る(るりもはりもてらせばひかる)

13文字の言葉」から始まる言葉

美しい響きを持つ「瑠璃も玻璃も照らせば光る」ということわざ。
瑠璃(るり)も玻璃(はり)も、どちらも美しい宝石やガラスを指す言葉です。
このことわざは、一体どのような意味を持っているのでしょうか。

この記事では、「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の意味や由来、使い方、そして似た言葉や英語での表現まで、分かりやすく掘り下げていきます。

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の意味・教訓

このことわざは、「優れた才能や素質を持っている人は、何かのきっかけや機会さえあれば、その能力を発揮して輝くものである」という意味です。

「瑠璃」は青色の宝石(ラピスラズリなど)、「玻璃」は水晶やガラスを指します。
どちらも美しいものですが、光が当たらなければその輝きは分かりません。
同様に、素晴らしい才能や素質を持つ人も、それが表に出る機会がなければ、周囲に認識されにくいものです。
しかし、適切な環境やきっかけ(光)があれば、必ずその才能は輝きを放つのだ、という潜在能力への信頼と、機会の重要性を示唆しています。

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の語源 – 宝石に例えられた才能

このことわざの直接的な語源は定かではありませんが、古くから使われている表現です。
「瑠璃」と「玻璃」という、光を受けることで本来の美しさが際立つ宝石やガラスを、人の持つ才能や素質に例えたものです。
才能は磨かれたり、光(機会や注目)が当たったりして初めて輝く、という考え方が根底にあります。
人の可能性を肯定的に捉えた、美しい比喩表現と言えるでしょう。

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」が使われる場面と例文

主に、人の持つ潜在的な才能や優れた素質を評価する時、または、まだ評価されていないけれど将来性のある人物について語る際に使われます。
教育や指導の場面で、適切な環境やきっかけを与えることの重要性を説く文脈でも用いられます。

例文

  • 彼はまだ無名だが、確かな実力を持っている。「瑠璃も玻璃も照らせば光る」と言うように、きっかけさえ掴めばきっと大成するだろう。
  • 新しいプロジェクトリーダーに抜擢された彼女は、早速素晴らしい企画を打ち出した。「瑠璃も玻璃も照らせば光る」とは、まさにこのことだ。
  • どんな生徒にも可能性がある。「瑠璃も玻璃も照らせば光る」と信じて、私たちは指導にあたっている。

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の類義語・言い換え表現

似たような意味合いを持つことわざや表現がいくつか存在します。

  • 玉磨かざれば光なし:宝石も磨かなければ輝かないように、優れた素質を持つ人も努力し、学問や修養を積まなければ立派な人物にはなれないということ。
    ※「瑠璃も~」が機会の重要性を強調するのに対し、「玉磨かざれば~」は本人の努力や研鑽の必要性を説く点が異なります。
  • 栴檀は双葉より芳し:白檀(びゃくだん)が良い香りのするように、大成する人物は幼い時から人並み外れて優れた才能を示すことのたとえ。
    ※早くから才能が顕在化するケースを指し、「瑠璃も~」のように潜在的な才能が後から輝く場合とは少しニュアンスが異なります。

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の対義語

直接的な対義語は多くありませんが、才能が発揮されない状況や、素質がないことを示す言葉が対照的な意味合いを持ちます。

  • 宝の持ち腐れ:役に立つ才能や価値のあるものを持っていながら、それを活用しないこと。
    ※「瑠璃も~」が機会があれば輝くことを示すのに対し、こちらは才能がありながら輝けない(輝かせない)状況を指します。
  • 朽木糞牆(きゅうぼくふんしょう):朽ちた木や崩れかけた土壁のように、才能がなく教育や指導の施しようがないことのたとえ。
    (「朽木は雕るべからず、糞土の牆は塗るべからず」という故事成語の一部)
    ※そもそも輝くべき素質がない、という点で「瑠璃も~」とは正反対の意味になります。

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の英語での類似表現

英語にも、優れた才能はいずれ現れる、という意味の表現があります。

  • Talent will out.
    意味:才能は(いずれ)現れるものだ。
    ※隠れた才能もいつかは必ず表に出て認められる、というニュアンスです。
  • Cream always rises to the top.
    意味:クリーム(牛乳の脂肪分)は常に上に浮かび上がる。
    ※優秀な人物や質の高いものは、自然と集団の中で目立つようになる、という意味です。才能のある人が自然と頭角を現す様子を表します。
  • A diamond in the rough.
    意味:荒削りのダイヤモンド(磨けば光る原石)。
    ※まだ磨かれていないが、優れた素質や将来性を持つ人や物を指します。
    「瑠璃も~」と同様に、潜在能力と、それを引き出す機会(磨くこと)の重要性を示唆します。

まとめ – 「瑠璃も玻璃も照らせば光る」が示す可能性

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」は、人の持つ潜在的な才能や可能性を美しく表現したことわざです。
どんなに優れた素質も、光が当たる機会、すなわち適切な環境やきっかけがなければ輝きません。

この言葉は、才能を見出すこと、育むこと、そして挑戦する機会を与えることの重要性を教えてくれます。
自分自身や他者の内に秘められた可能性を信じ、その輝きを引き出す努力を続けることの大切さを示唆する、希望に満ちたメッセージと言えるでしょう。

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