意味
「水を得た魚(みずをえたうお)」とは、自分に合った環境や活躍できる場を得て、生き生きと能力を発揮している様子のたとえです。
魚は陸上では動けませんが、水に戻れば自由自在に泳ぎ回ることができます。
ふさわしい場所や状況を得て、その人が本来持っている能力や持ち味が存分に引き出される状態を指します。
語源・由来
「魚の水を得たるが如し」という形でも言います。
魚と水の取り合わせは中国の歴史書『三国志』の劉備の言葉にも見られ、その言葉からは、親密な間柄を表す「水魚の交わり」という語が生まれました。
使い方・例文
得意な分野や専門知識を活かせる場面など、その人の能力が存分に発揮されている状況で使われます。
- グラウンドに出た途端、水を得た魚のように走り回った。
- 得意な鉄道の話になると、彼は水を得た魚になる。
- 新しい部署に異動してから、水を得た魚のように活躍している。
誤用・注意点
この言葉は「みずをえたさかな」と読み間違えられやすいですが、正しくは「みずをえたうお」と読みます。
古くから日本では、泳いでいる生き物としての魚を「うお」と呼んでいました。
一方「さかな」という言葉は、もともとお酒のお供である「酒菜」を意味していました。
後におつまみとして魚がよく食べられるようになったため、生きているものも「さかな」と呼ぶように変化した歴史があります。
そのため、古い時代に定着したことわざや慣用句には当時の呼び方である「うお」が残っています。
日常会話で「さかな」と読んでも意味は伝わりますが、正しい読み方として覚えておくと役立ちます。
類義語・関連語
「水を得た魚」と似た意味や、勢いづく様子を表す言葉には以下のようなものがあります。
- 得手に帆を揚げる(えてにほをあげる):
好機が到来し、得意なことを存分に発揮すること。 - 鬼に金棒(おににかなぼう):
強いものが何かを得て、さらに強くなること。 - 虎に翼(とらにつばさ):
強いものに、さらに威力が加わること。
対義語
「水を得た魚」とは対照的な意味を持つ言葉は、以下の通りです。
英語表現
「水を得た魚」を英語で表現する場合、以下のフレーズが使われます。
in one’s element
意味:本領を発揮して、得意な領域で
その人にとって自然な環境や、能力を発揮できる得意な状況にいることを表します。
He is really in his element when he is cooking.
(彼は料理をしている時、まさに水を得た魚だ。)
劉備、孔明を水にたとえる
魚と水を取り合わせた言い回しとしてよく知られるのが、『三国志』蜀志・諸葛亮伝にある劉備の言葉です。
劉備は諸葛亮を迎え入れてから、日ごとに親密になっていきました。
古くからの部下である関羽と張飛は、この様子を面白く思わず、不満を漏らします。
それに対して劉備は「私に孔明がいるのは、魚に水があるようなものだ」と答え、「諸君、もう何も言わないでほしい」と頼みました。
関羽と張飛は、それで不満を口にしなくなりました。
この劉備の言葉から、離れられない親密な間柄を表す「水魚の交わり」という語が生まれました。
同じ魚と水の取り合わせでも、「水を得た魚」は一人の人がふさわしい場で生き生きとする様子を表す言葉で、二人の親密な間柄には使いません。













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