一つでも手に入れば十分幸福と言えるはずの喜ばしい出来事が、申し合わせたかのように二つ同時に舞い込んでくることがあります。
そんな、期待を大きく上回る豊かな充足感に包まれた状況を、
「両手に花」(りょうてにはな)と言います。
意味・教訓
「両手に花」とは、二つの良いものを同時に手に入れることを意味します。
また、一人の男性が二人の美しい女性を左右に連れている状態の比喩としても使われます。
語源・由来
「両手に花」の由来は、文字通り左右の手それぞれに美しい花を持っている、贅沢で華やかな様子にあります。
日本では古来より「花」を利得やめでたいことの象徴として扱ってきた背景があります。
もともとは「一度に二つの利益を得る」という幸運を指す言葉でしたが、明治以降の文学作品などを通じて「二人の女性に囲まれる男性」という特定のシチュエーションを指す意味が強まりました。
特定の中国の故事に基づいたものではなく、日本独自の生活感覚から生まれた比喩表現です。
使い方・例文
二つの望ましい結果が同時に手に入ったときや、羨望の的となるような華やかな状況で使われます。
基本的にはポジティブな意味ですが、状況によっては「欲張り」という皮肉が混じることもあります。
例文
- 昇進祝いの日に娘が志望校に合格し、父さんは「両手に花」だと喜んでいた。
- 欲しかったゲーム機とソフトを一度にプレゼントされ、まさに「両手に花」の状態だ。
- 両隣をクラスで人気の女子に挟まれて座るなんて、彼は「両手に花」で羨ましい。
- 週末の旅行先で絶景と美食を同時に堪能でき、「両手に花」の贅沢な時間を過ごした。
内容に即した見出し:注意点
「両手に花」という言葉を現代で使う際には、相手への配慮が必要です。
特に「一人の男性が二人の女性を連れている」という意味で使う場合、対象となる女性を「花(=添え物や飾り)」のように扱うニュアンスが含まれると受け取られる可能性があります。
親しい間柄での冗談としては通じますが、公的な場やビジネスシーンで特定の人物を指して使うのは避け、自分自身の幸運な状況を表現するに留めるのが賢明です。
類義語・関連語
「両手に花」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 一挙両得(いっきょりょうとく):
一つの行為で二つの利益を得ること。 - 一石二鳥(いっせきにちょう):
一つの労力で二つの目的を果たすこと。 - 得物二つ(えものふたつ):
二つの獲物を同時に手に入れること。 - 大判小判(おおばんこばん):
多くの富や幸運が一度に舞い込むことの比喩。
対義語
「両手に花」とは対照的な意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 二兎を追う者は一兎をも得ず(にとをおうものはいっとをもえず):
欲張って二つのことを同時にしようとすると、結局どちらも失敗すること。 - 虻蜂取らず(あぶはちとらず):
二つのものを同時に得ようとして、どちらも得られないこと。 - 泣きっ面に蜂(なきっつらにはち):
不幸なことが起きているときに、さらに災難が重なること。
英語表現
「両手に花」を英語で表現する場合、文脈によって適切なフレーズが異なります。
A girl on each arm
一人の男性が左右に女性を連れているという、視覚的な状況を直接的に表す英語らしい表現です。
直訳「二人の女性に囲まれている」
社交的な場やパーティーなどで、羨望を込めて使われることが多いフレーズです。
- 例文:
He walked into the party with a girl on each arm.
彼は両手に花の状態でパーティーに現れた。
The best of both worlds
二つの異なる良いものを同時に享受しているという「利得」の側面に焦点を当てた表現です。
「二つの良いとこ取り」
異なる環境や状況におけるメリットを同時に得ている状態を指します。
- 例文:
She has a great career and a happy family; she really has the best of both worlds.
彼女は素晴らしいキャリアと幸せな家庭を持っており、まさに両手に花だ。
まとめ
幸運が重なる「両手に花」の状況は、誰もが一度は憧れるものです。
この言葉は、単なる利益だけでなく、その場の華やかさや心の充足感までをも見事に言い表しています。
ただし、幸運が重なったときこそ、その状況を当たり前と思わずに感謝する謙虚さが大切です。
一つひとつの「花」を大切に愛でる気持ちを持つことで、その喜びは一過性のものに終わらず、より深い幸せへと繋がっていくことでしょう。






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