意味
「多芸は無芸(たげいはむげい)」とは、多くの技芸や才能を持っている人は、あれこれと手を広げすぎるために、何一つ際立って優れたものがないという意味です。
- 多芸(たげい):多くの趣味や特技を持っていること。
- 無芸(むげい):これといって人に誇れる専門的な技能がないこと。
何にでも手を出して中途半端に終わることを戒め、一つのことに集中して打ち込む大切さを説く教訓として用いられます。
使い方・例文
「多芸は無芸」は、多趣味でどれも中途半端になっている自分を自嘲したり、他人に注意を促したりする文脈で使われます。
仕事に限らず、習い事や部活動、学業など、専門性が求められる場面でよく登場します。
例文
- 毎日違う習い事をしているが、結局どれも上達せず多芸は無芸の状態だ。
- 趣味を次々に増やしたが、多芸は無芸で人に見せられる腕前は一つもない。
- 多芸は無芸を地で行くような性格で、手広く手を出してはすぐに飽きてしまう。
- 便利な人材として重宝されているが、将来を考えて多芸は無芸を脱したい。
誤用・注意点
「多芸は無芸」は、基本的に「中途半端である」というネガティブな評価を含む言葉です。
そのため、実際に多くの才能を発揮して活躍している人に対して「あなたは多芸は無芸ですね」と言うのは、非常に失礼な表現になります。
類義語・関連語
「多芸は無芸」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 器用貧乏(きようびんぼう):
何でも器用にこなせるが、それゆえに一筋に打ち込めず、大成しないこと。 - 多能は無能(たのうはむのう):
多くのことができる人は、際立った能力を持っていないということ。 - 虻蜂取らず(あぶはちとらず):
二つのものを同時に得ようとして、結局どちらも手に入れられないこと。
対義語
「多芸は無芸」とは対照的な意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 一芸に秀でる(いちげいにひいでる):
一つの技術や才能が、他よりも格段に優れていること。 - 一芸は道に通ずる(いちげいはみちにつうずる):
一つのことを極めた人は、他のあらゆる物事の真理も理解できるようになるということ。
英語表現
「多芸は無芸」を英語で表現する場合、以下の有名な定型句が用いられます。
Jack of all trades, master of none
直訳すると「何でも屋のジャック、何一つ極めたものなし」となります。
「Jack of all trades」は「何でも屋(器用な人)」を指しますが、後半の「master of none」がつくことで、日本語の「多芸は無芸」とほぼ同じ皮肉なニュアンスになります。
He’s a jack of all trades, master of none.
(彼は何でも知っているが、どれも中途半端で、まさに多芸は無芸だ。)
「多芸は無芸」と逆を勧める「芸は身を助く」
「多芸は無芸」は、芸を多く持ちすぎて一つも深まらないことを戒める言葉です。
一方で、芸を持つことを勧める言葉に「芸は身を助く」があります。
「芸は身を助く」は、一つでも技能があれば困窮したときに生計の助けになるという意味で使われます。
「多芸は無芸」が戒めるのは芸の数が多すぎることで、「芸は身を助く」が勧めるのは一つでも芸を身につけておくことです。









コメント