四字熟語 故事成語

高枕安眠

(こうちんあんみん)

心配事がなく、心から安心して安らかに眠ること。

異形:安眠高枕

8文字の言葉 / 「こ・ご」から始まる言葉
高枕安眠 ことば
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意味

「高枕安眠(こうちんあんみん)」とは、枕を高くして眠るように、何も思い煩うことなく、心穏やかにぐっすりと眠るという意味です。
転じて、心に気がかりなことが全くなく、穏やかに暮らしていることのたとえとして使われる四字熟語です。

  • 高枕(こうちん):枕を高くすること。警戒を解き、安心して構えること。
  • 安眠(あんみん):安らかに眠ること。

語源・由来

「高枕安眠」は、中国の戦国時代の遊説家たちの言動を記した『戦国策』や、司馬遷の『史記』に見られる故事に由来します。

たとえば『戦国策』魏策には、遊説家の張儀が魏の王に、秦に仕えるよう説いた次の一節があります。

為大王計,莫如事秦,事秦則楚、韓必不敢動;無楚、韓之患,則大王高枕而臥,國必無憂矣。
(大王のために計るなら秦に仕えるに越したことはなく、秦に仕えれば楚や韓は決して動けず、楚や韓の心配が無くなれば、大王は枕を高くして寝ることができ、国に憂いは無くなります)

魏の王はこの説得を受け入れ、秦に従う東方の属国となることを申し出ました。
枕を高くして寝られるということは、それだけ安全が確保された状態を意味していました。

日本語では「枕を高くして寝る」という言い方で定着し、安心して眠れる状態を指します。

使い方・例文

「高枕安眠」は、長年の悩みから解放された際や、将来の不安に対する備えが万全になった場面などで、その安堵感や平和な暮らしを表現する際に用いられます。

例文

  • 住宅ローンを完済し、ようやく今日から高枕安眠できる。
  • 懸案だった後継者問題に目途が立ち、会長も高枕安眠の心境だろう。
  • 嵐が過ぎ去り、避難していた人々も自宅で高枕安眠の夜を迎えた。
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類義語・関連語

「高枕安眠」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 高枕で寝る(たかまくらでねる):
    心配事がなくなり、安心して安らかに眠ることです。最も意味が近い慣用句です。
  • 高枕無憂(こうちんむゆう):
    枕を高くして、何の憂いもないことです。「高枕安眠」とほぼ同義の四字熟語です。
  • 足を伸ばして寝る(あしをのばしてねる):
    悩み事や心配事がなくなり、心からくつろいで休む様子を指します。
  • 天下太平(てんかたいへい):
    世の中が平和で、騒ぎもなく穏やかに治まっていることです。

対義語

「高枕安眠」とは対照的な意味を持つ言葉は、以下の通りです。

  • 輾転反側(てんてんはんそく):
    悩み事や考え事があって眠れず、何度も寝返りをうつことです。
  • 戦々恐々(せんせんきょうきょう):
    いつ悪いことが起こるかと恐れ、びくびくして警戒している様子を言います。
  • 針の筵(はりのむしろ):
    周囲の非難や厳しい視線にさらされ、一時も心が休まらない苦しい状況のたとえです。

英語表現

「高枕安眠」を英語で表現する場合、以下の定型表現が適しています。

Sleep easy

「安心して眠る」「何の不安もなく眠る」という意味で、日本語のニュアンスに最も近い表現です。

You can sleep easy now that the problem has been solved.
(問題が解決した今、あなたは高枕安眠できるでしょう。)

「高枕安眠」の枕が高いのは警戒を解いているから

「高枕安眠」の「高枕」は、決して物理的な枕の高さを推奨しているわけではありません。

この言葉の背景として、兵士や見張りの人々は地面の振動から敵の足音を聴き取るために、枕を低くするか使わずに寝ていた、という説明がよく紹介されます。
この説明に従えば、枕を高くして寝られるのは、地面に耳をそばだてる必要がない状態ということになります。

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