意味
「笑って損した者なし(わらってそんしたものなし)」とは、常に笑顔で愛想よく人と接していれば損はしないという教訓で、むしろ得をすることの方が多いという意味も込められています。
不機嫌な態度をとるよりも、にこやかな表情でいる方が他者に好印象を与え、結果として物事がスムーズに進むという前向きな教訓として使われます。
語源・由来
もとになった書物や出来事は知られていないことわざです。
昭和の初めのことわざ辞典には「笑うて損した者なし」の形で載り、何事にも腹を立てず、いつも機嫌よくしていれば得をする、と説明されています。
使い方・例文
「笑って損した者なし」は、愛想よくすることのメリットを説く場面や、不機嫌な態度を改めるよう促す状況で使われます。
- 元気よく挨拶する新入社員を見て、笑って損した者なしだと感じた。
- 厳しいクレーム対応の時こそ笑って損した者なしと、口角を上げて接客した。
- 不機嫌でいても状況は好転しない。笑って損した者なしの精神で接したい。
類義語・関連語
「笑って損した者なし」と似た意味の言葉や、関連する言葉には、以下のようなものがあります。
- 笑う門には福来たる(わらうかどにはふくきたる):
いつも笑い声が絶えない家には、自然と幸福がやってくるということ。 - 和顔愛語(わげんあいご):
和やかで優しい顔つきと、愛情のこもった穏やかな言葉遣いのこと。 - 短気は損気(たんきはそんき):
短気を起こして怒ると、人間関係や物事を悪化させ、結果的に自分が不利益を被ること。 - 怒りは敵と思え(いかりはてきとおもえ):
怒りの感情は自分に害をもたらす敵のようなものであるため、慎むべきだという教え。
英語表現
A smile costs nothing
意味:笑顔を見せるのにお金はかからないという事実。
Try to be cheerful in your new job. A smile costs nothing, but it can make a big difference.
(新しい仕事では明るく振る舞いなさい。笑顔は無料だが、大きな違いを生むこともある。)
Civility costs nothing
直訳:礼儀には何の費用もかからない
意味:礼儀正しく振る舞っても失うものは無いということ。
Always be courteous to customers; civility costs nothing.
(お客様には常に礼儀正しくしなさい。礼儀正しくしても損はしないのだから。)
例外は金ぱく職人だけ、昭和のことわざ辞典に
昭和の初めのことわざ辞典には、「笑うて損するは箔屋ばかり」という言い回しも並んでいます。
箔屋は金や銀を紙のように薄く打ちのばした箔を作って売る職人で、笑うと箔が飛んでしまうから、と説明されています。
1923年に出た、礼儀作法を問答の形で説く本では、目上の人とは笑顔で話してよいかという問いに、先生役が「笑う顔は打たれぬ」と答えます。
そして最後を「先ず笑うと損するは箔屋ばかりだよ」と締めくくっています。
損をするのは箔屋くらいのもの、と例外を一つだけ挙げることで、ほかの人は笑って損をすることはない、という「笑って損した者なし」と同じ教えになっています。










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