意味
「馬鹿と鋏は使いよう(ばかとはさみはつかいよう)」は、愚かな者でも指導者の扱い方次第で役に立つという意味です。
切れ味の悪い鋏であっても、使い手次第で物を切ることができる状態にたとえています。
語源・由来
日本の伝統的な和鋏は、握る力加減などにコツが必要であり、不慣れな者にはうまく切断できない特性がありました。
「道具の性能を引き出すのは使い手の技術である」という事実を、人材育成やマネジメントの手法に当てはめています。
使い方・例文
「馬鹿と鋏は使いよう」は、他者の采配や人材配置の手腕を評価する場面で使われます。
- 頑固者を適所に配置して活かす。馬鹿と鋏は使いようである。
- 問題児の才能を見事に開花させた。馬鹿と鋏は使いようだ。
人に対する使用の注意点
相手の能力を見下し「馬鹿」と表現する言葉が含まれているため、当人の前で直接使うことは最大の侮辱となります。
また、第三者を評価する際に公の場で口にすると、「人間を道具扱いしている」と批判を受けるおそれがあるため、ビジネスシーンや公式な場での使用には注意が必要です。
類義語・関連語
「馬鹿と鋏は使いよう」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 適材適所(てきざいてきしょ):
その人物の才能や性質によく合った地位や任務を与えること。 - 愚者も一得(ぐしゃもいっとく):
愚かな者であっても、一つくらいは採用すべき良い知恵を出すことがあるということ。 - 馬鹿と剃刀は使いよう(ばかとかみそりはつかいよう):
「馬鹿と鋏は使いよう」の道具を剃刀に置き換えた異形の同義語。
対義語
「馬鹿と鋏は使いよう」と反対の意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 馬鹿に付ける薬はない(ばかにつけるくすりはない):
自身の愚かさは治す方法が一切なく、誰にも手の施しようがない状態。 - 朽木は雕るべからず(きゅうぼくはほるべからず):
根性が腐っていたり意志が弱すぎたりする人間は、いくら教えても大成しないこと。
英語表現
A bad workman always blames his tools
下手な職人ほど道具のせいにする、という英語のことわざ。
結果を決めるのは道具よりも使い方だとする点で、「使いよう」と同じ考え方の表現。
Stop blaming your team and change how you lead them. A bad workman always blames his tools.
(部下のせいにするのをやめて、率い方を変えなさい。下手な職人ほど道具のせいにするものです。)
和鋏の使いにくさ
ことわざにいう「鋏」は、握って使う和鋏(にぎりばさみ)を念頭に置いたものとみられます。
洋鋏のように支点で二枚の刃を留めるのではなく、U字形に曲げた金属のばねの反発で刃を開き、握って合わせる構造です。
刃を合わせる角度と力のかけ方が定まらないと切れないため、慣れないうちはうまく扱えません。
切れないのは鋏の出来ではなく使い方のほうだ、という見方がここから出ています。











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