慣用句

恋の鞘当て

(こいのさやあて)

一人の異性をめぐって、二人の競争相手が張り合うこと。恋敵との争い。

短縮形:鞘当て

7文字の言葉 / 「こ・ご」から始まる言葉
恋の鞘当て ことば
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意味

「恋の鞘当て(こいのさやあて)」とは、恋敵同士が争うこと、また、その争いを意味します。
「鞘当て」だけでも同じ意味で使われるほか、ささいなことが原因で起こる喧嘩や争いも指します。
単なる嫉妬心だけでなく、互いに対抗意識を燃やして競い合うというニュアンスが含まれます。

語源・由来

「恋の鞘当て」の由来は、遊里で一人の遊女をめぐって二人の武士が鞘当てをする、歌舞伎の題材にあります。

かつて武士は、腰に二本の刀を差して歩いていました。
往来ですれ違う際、互いの刀の「鞘さや」がぶつかることは、武士にとって無礼なこととされていました。

そのため、鞘が触れたことをとがめて争いになることがありました。
このことから、些細な理由で喧嘩を始めることを「鞘当て」と呼ぶようになりました。

一人の女性を争う二人の武士が、刀の鞘が当たったことから争いを始めるのは歌舞伎の趣向の一つで、1697年に江戸中村座で上演された『参会名護屋さんかいなごや』が最初のものです。
この題材から、恋敵同士が争うことを「恋の鞘当て」と言うようになりました。

使い方・例文

「恋の鞘当て」は、主に恋愛におけるトラブルや、ライバル関係を描写する際に使われます。
日常会話で頻繁に使われる言葉ではありませんが、少し古風で芝居がかった表現として、第三者が冷やかし半分に噂話をする際や、物語の感想を述べる際によく用いられます。

例文

  • 彼をめぐって、親友同士だった二人が恋の鞘当てを演じるとは皮肉なものだ。
  • クラスのマドンナに気に入られようと、男子たちが恋の鞘当てを繰り返している。
  • ドラマの後半は、主人公とライバルの激しい恋の鞘当てが見どころだ。
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類義語・関連語

「恋の鞘当て」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 三角関係(さんかくかんけい):
    三人の男女(または同性同士)の間で、恋愛感情が複雑に絡み合っている状態のこと。
  • 恋敵(こいがたき):
    一人の異性を争う競争相手のこと。ライバル。
  • 激戦(げきせん):
    激しい戦いのこと。恋愛においては、多くのライバルが争っている状況を指して「恋の激戦」と表現することもある。

英語表現

「恋の鞘当て」を英語で表現する場合、状況に応じて以下のような言葉が使われます。

love triangle

直訳は「三角関係」で、二人が同じ一人の愛情をめぐって争う状況を表す言葉。

He is caught in a love triangle.
(彼は三角関係(恋の鞘当て)に巻き込まれている。)

恋の鞘当てを演じる歌舞伎『鞘当』は吉原が舞台

歌舞伎には『浮世柄比翼稲妻うきよづかひよくのいなずま』という演目があり、その中の通称「鞘当さやあて」という場面が非常に有名です。

この場面では、不破伴左衛門ふわばんざえもんと名古屋山三なごやさんざという二人の伊達男が、吉原ですれ違いざまに刀の鞘が当たったことから争いになります。
二人はそれぞれ特徴的な模様の入った着物を着て競い合うように登場し、様式美あふれる口論を繰り広げます。

本来の筋書きは敵討ちなどが絡む複雑なものですが、今日上演される「鞘当」は、1823年に江戸市村座で上演された『浮世柄比翼稲妻』から、吉原仲の町の場だけを独立させたものです。
二人は遊女・葛城太夫かつらぎだゆうをめぐって張り合います。

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