ことわざ 慣用句

親の意見と冷や酒は後で効く

(おやのいけんとひやざけはあとできく)

親の忠告は、その場では価値がわからないが、後になってその正しさがわかるという教え。


17文字の言葉 / 「お」から始まる言葉
親の意見と冷や酒は後で効く ことば
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意味

「親の意見と冷や酒は後で効く(おやのいけんとひやざけはあとできく)」とは、親の教訓や忠告というものは、その場ではありがたみがわからないものだが、後になってからその正しさが身に沁みてわかるものだという教えです。

冷や酒(温めていない酒)は、飲んでいる最中は口当たりが良く、つい過ごしてしまいがちですが、時間が経つと急に酔いが回ってきたり、翌日の体調に響いたりします。
この「時間差で効果が現れる」という性質を、親の言葉が持つ「後からじわじわと響く価値」になぞらえています。

語源・由来

冷や酒を体に障るものとする考えは、江戸時代の養生書にも出てきます。
貝原益軒かいばらえきけんの『養生訓』は、冷たいままの酒と熱くした酒を戒めて、次のように書いています。

凡(そ)酒は夏冬ともに、冷飲熱飲に宜しからず。温酒をのむべし。熱飲は気升(のぼ)る。冷飲は痰をあつめ、胃をそこなふ。
(酒は夏も冬も、冷たいまま飲むのも熱くして飲むのもよくない。温めた酒を飲むべきだ。熱くして飲むと気がのぼり、冷たいまま飲むと痰がたまり、胃をいためる。)

親の意見も、言われている最中は「自分を否定された」と反発したくなるものです。
しかし、いざ自分が社会に出たり、親と同じ立場になったりしたとき、その言葉が深い経験に基づいた真実であったことに気づかされます。

使い方・例文

「親の意見と冷や酒は後で効く」は、親に限らず、先生や先輩など、人生の先達からのアドバイスを軽視して失敗した際や、そのありがたさを痛感した場面で使われます。

  • 「母の忠告を無視して遊び、急な出費で困った。親の意見と冷や酒は後で効くだ」
  • 恩師の厳しさの意味が数年経って分かった。親の意見と冷や酒は後で効くだ。
  • 「親の意見と冷や酒は後で効くと言うだろう。父さんの助言を聞いておきなさい」
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誤用・注意点

この言葉は、単に「親の言うことを聞きなさい」と命令するものではなく、「後から効果(後悔や感謝)が来る」という時間差に焦点を当てたものです。

また、現代では「冷や酒ひやざけ」を冷蔵庫で冷やした「冷酒れいしゅ」と混同しがちですが、このことわざの「冷や酒」は燗をしない常温の酒を指しています。
いずれにせよ、「後から身体に響く」というニュアンスさえ押さえておけば、使い方は間違いありません。

類義語・関連語

「親の意見と冷や酒は後で効く」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 親の言うことと茄子の花は千に一つも無駄はない(おやのいうこととなすびのはなはせんにひとつもむだはない):
    親の忠告は、ナスの花が一つも無駄なく実をつけるように、すべてが子のためになるものであるという意味。
  • 忠言耳に逆らう(ちゅうげんみみにさからう):
    自分を思って言ってくれる忠告ほど、聞くのが辛く、素直に受け入れにくいものであるということ。
  • 良薬は口に苦し(りょうやくはくちににがし):
    自分のためになる忠告は、薬が苦いように受け入れがたいが、将来必ず役に立つという教え。
  • 老いたる馬は道を忘れず(おいたるうまはみちをわすれず):
    経験豊かな人は、物事の判断を誤らないため、その知恵を借りるべきだという教え。

「親の意見と冷や酒は後で効く」は語順を逆にした形でも言う

このことわざは、「冷や酒」を先に置いて「冷や酒と親の意見は後から利く(ひやざけとおやのいけんはあとからきく)」とも言います。
ほかに「冷酒と親の意見は後薬あとぐすり」という形もあります。

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