一粒万倍

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四字熟語 故事成語
一粒万倍
(いちりゅうまんばい)

9文字の言葉」から始まる言葉
一粒万倍 【個別】ことわざ・慣用句・四字熟語

ほんのわずかなきっかけや努力が、やがて想像もできないほど大きな成果となって返ってくる。
未来への希望や、小さな積み重ねの大切さを象徴する言葉として、
「一粒万倍」(いちりゅうまんばい)が使われます。

意味

「一粒万倍」とは、たった一粒の種籾(たねもみ)が成長して、万倍もの数のお米をつけた稲穂になるという意味です。

転じて、以下のことを表します。

  1. わずかな手元資金や労力で、非常に大きな利益を得ること。
  2. ほんの少しの物事から、多くの良き結果が生まれること。
  3. (注意点として)わずかな悪事や苦労も、やがて万倍になって返ってくること。

ビジネスや投資の世界で「大きなリターン」を指して使われるほか、現代では何かを始めるのに良い日とされる「一粒万倍日」として広く親しまれています。

語源・由来

「一粒万倍」という言葉は、古くからの農耕文化に根ざしていますが、文献としてのルーツは仏教の経典に見られます。

『報恩経(ほうおんきょう)』というお経の中に、
「世間の利益を求めるなら農耕に勝るものはない。一粒の種を蒔けば万倍の利益となる(一粒万倍)」
といった趣旨の記述があります。

これは単に農業の効率を説いただけでなく、「一粒の種(行い)が万倍の結果(報い)をもたらす」という因果応報の教えを、分かりやすい農業の姿に例えて説いたものと考えられています。

使い方・例文

「一粒万倍」は、新しい挑戦、投資、学習など、「小さな元手から大きな未来を期待する」ポジティブな場面で好んで使われます。

例文

  • この事業は当初の資金こそ少なかったが、まさに「一粒万倍」の成長を遂げた。
  • 日々の小さな努力をおろそかにしてはいけない。それがやがて「一粒万倍」の成果を生むのだから。
  • 「一粒万倍」を信じて、まずは一冊の本を読むことから始めてみよう。

誤用・注意点

悪いことも「万倍」になる

この言葉は「利益が増える」という良い意味で使われることがほとんどですが、本来は「結果が万倍になる」という仕組みを表す言葉です。
したがって、「些細な悪事」や「トラブルの種」も、放置すれば万倍の災いとなって返ってくるという戒めの意味も含んでいます。

知っておきたい「一粒万倍日」

現代において、この言葉が最も頻繁に使われるのは、暦(カレンダー)の選日(せんじつ)の一つである
一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」です。

「何かを始めるのに最適な日」とされ、以下のような行動に向いていると言われています。

  • 向いていること
    開業、種まき、仕事始め、財布の新調、結婚、銀行口座の開設など。
  • 宝くじの購入
    特に有名なのが「宝くじ」です。
    一粒万倍日には、全国の売り場にこの言葉を記した旗やポスターが掲げられ、長い行列ができることも珍しくありません。
    「数百円(一粒)が数億円(万倍)になる」という宝くじの性質と、言葉の意味がぴったり重なるため、最強の縁起担ぎとして定着しています。
  • やってはいけないこと
    借金、人からの借り物、喧嘩、他人への攻撃。

この日に借金をしたり、他人と揉めたりすると、その苦労や災いも「万倍」になって膨れ上がると言われているため、言動には慎重さが求められます。

類義語・関連語

「一粒万倍」と似た、少ない元手や労力で大きな結果を得るという意味の言葉には以下のようなものがあります。

  • 一本万利(いっぽんばんり):
    わずかな元手で大きな利益をあげること。「一本」は「一おもと(少しの元金)」を意味します。
    「一粒万倍」とほぼ同義の四字熟語です。
  • 海老で鯛を釣る(えびでたいをつる):
    エビのような安い餌で、タイのような立派な魚を釣ることから、わずかな労力や品物で大きな利益を得ることのたとえ。
  • 濡れ手で粟(ぬれてであわ):
    苦労せずに多くの利益を得ること。
    ※「一粒万倍」には「種まき」という能動的なアクションが含まれますが、「濡れ手で粟」は「努力しない」ことに焦点があるため、ややネガティブなニュアンス(不労所得やボロ儲け)を含む場合があります。

英語表現

「一粒万倍」の「小さな始まりが大きな結果を生む」というニュアンスに近い英語表現を紹介します。

Great oaks from little acorns grow.

  • 直訳:カシの大木も、小さなどんぐりから育つ。
  • 意味:「事の大小はあっても、すべての偉大なことは小さな始まりから生じる」
  • 解説:小さな種が大きな木になるという比喩が、一粒万倍(種が稲穂になる)と非常に近く、最も適切な対応表現です。
  • 例文:
    Don’t underestimate small efforts. Great oaks from little acorns grow.
    (小さな努力を侮ってはいけない。一粒万倍、大木も小さなどんぐりから育つのだから。)

まとめ

一粒の種が黄金色の稲穂へと変わるように、今日踏み出した小さな一歩や、些細な善行が、未来の自分に大きな豊かさをもたらす。
「一粒万倍」は、そんな希望と可能性を教えてくれる言葉です。

何か新しいことを始める時、あるいは地道な努力を続ける時、この言葉を思い出せば、その一粒の価値を信じて前へ進む力になることでしょう。

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