意味
「濡れ手で粟(ぬれてであわ)」とは、少しの元手や労力で大きな儲けを出すという意味で、他人の楽な稼ぎぶりをうらやんだり皮肉ったりするニュアンスを含んで使われます。
「濡れ手に粟」と言うこともありますが、意味は全く同じです。
語源・由来
乾いた手で粟(穀物の一種)をつかんでも指の間からこぼれ落ちてしまいますが、水で濡らした手でつかめば、無数の細かい粒がびっしりと張り付いてきます。
この物理的な現象から、ほんの少しの工夫や労力で、ごっそりと大きな利益をすくい上げる様子に例えた言葉です。
使い方・例文
「濡れ手で粟」は、わずかな労力で大きな利益を手にした時や、他人の楽な儲け方を揶揄する場面で使われます。
- 思いつきの企画がヒットし、まさに濡れ手で粟だ。
- 買っておいた土地の値が急に上がり、転売しただけで濡れ手で粟の大もうけをした。
努力して得た利益には使わない
苦労せずに利益を得ることを指すため、「濡れ手で粟のように、努力して成功したい」といった使い方は誤りです。
また、他人に対して使うと「ずるい」「楽をしている」という皮肉に聞こえるため、本人やビジネスの取引先に向かって使うのは避けるのが無難です。
類義語・関連語
「濡れ手で粟」と似た意味を持つ言葉には、思いがけない幸運や、少ない労力で得る利益を表すものがあります。
- 棚からぼたもち(たなからぼたもち):
思いがけない幸運が舞い込んでくることの例え。 - 一攫千金(いっかくせんきん):
一度に大きな利益を手に入れること。 - 儲け物(もうけもの):
思いがけず手に入れた利益や、得なこと。 - 漁夫の利(ぎょふのり):
当事者同士が争っている間に、第三者が苦労せずに利益を横取りすること。
対義語
「濡れ手で粟」と反対に、努力が報われないことや、何もしなければ結果は出ないことを表す言葉には以下のものがあります。
- 骨折り損のくたびれ儲け(ほねおりぞんのくたびれもうけ):
苦労しただけで、何の手応えも利益も得られないこと。 - 蒔かぬ種は生えぬ(まかぬたねははえぬ):
原因となる努力をしなければ、良い結果は決して得られないという教え。
英語表現
make easy money
直訳:簡単なお金を作る
意味:楽に稼ぐ、あぶく銭を手に入れるという一般的な表現。
He made easy money by reselling those tickets.
(彼はそのチケットを転売して、濡れ手で粟のもうけを得た。)
「濡れ手で泡」は書き誤り
「濡れ手で粟」を「濡れ手で泡」と書き、いくら努力しても実りがないという意味に取るのは誤りです。
泡は濡れた手でつかんでも何も残らないので、たとえとして意味が通りません。
取り違えが起きやすいのは、粟が身近な作物でなくなったためです。
粟は五穀の一つで、ほかの穀物が実らない年にも収穫できる大切な作物でしたが、今ではほとんど作られていません。











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