ことわざ 慣用句

労多くして功少なし

(ろうおおくしてこうすくなし)

多くの苦労や努力をしたにもかかわらず、得られた成果や見返りが少ないこと。


13文字の言葉 / 「ろ」から始まる言葉
労多くして功少なし ことば
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意味

「労多くして功少なし(ろうおおくしてこうすくなし)」とは、かけた手間や時間に対して見返りが釣り合わない、いわゆる「割に合わない」状況のことです。
努力そのものを否定するわけではなく、その努力が結果に結びつかなかった徒労感や、やり方の非効率さを嘆く教訓を含んでいます。

  • 労(ろう):苦労。骨折り。努力。
  • 功(こう):成果。手柄。実績。

語源・由来

「労多くして功少なし」は、古くから存在する漢文調の表現です。

例えば、中国の思想書『荘子』(天運篇)には「労して功なし(労而無功)」という記述があり、日本の歴史書『続日本紀』の天平9年(737年)の記事にも「労多くして功少なし(労多功少)」という表現が用いられています。

こうした古い文献にも見られるように、「いくら苦労しても報われない」という人間の普遍的な経験則が、端的なことわざとして定着したものです。

使い方・例文

「労多くして功少なし」は、仕事や日常の作業などで、かけた手間や時間に対して成果が見合わず、徒労感や非効率さを嘆く場面で使われます。

  • 徹夜で準備したのに誰も見てくれず、労多くして功少なしだった。
  • 庭の草むしりを一日中やったがすぐに生え、労多くして功少なしだ。
  • 彼のやり方は手順が悪く、労多くして功少なしになりがちだ。
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類義語・関連語

「労多くして功少なし」と似た意味を持つ言葉には以下のようなものがあります。

  • 骨折り損のくたびれ儲け(ほねおりぞんのくたびれもうけ):
    苦労しただけで何の利益も得られず、ただ疲労だけが残ること。
  • 大山鳴動して鼠一匹(たいざんめいどうしてねずみいっぴき):
    事前の前触れや騒ぎが大きい割に、実際の結果が取るに足りないこと。
  • 灯心で鐘を撞く(とうしんでかねをつく):
    柔らかい灯心(油ランプの芯)で鐘を突いても音が鳴らないことから、手応えがなく無駄な努力のたとえ。

対義語

「労多くして功少なし」とは対照的な意味を持つ言葉は以下の通りです。

  • 濡れ手で粟(ぬれてであわ):
    濡れた手で粟をつかむとたくさんくっついてくるように、苦労せずに大きな利益を得ること。
  • 棚からぼたもち(たなからぼたもち):
    思いがけない幸運が舞い込むこと。自身は苦労せずに利益を得ることのたとえ。

英語表現

「労多くして功少なし」を英語で表現する場合、以下のフレーズが適しています。

Great cry and little wool

直訳:鳴き声は大きいが、毛は少ない。
意味:騒ぎや見かけばかり大きく、得られるものが少ないことを表す英語のことわざ。
豚の毛を刈っても鳴き声ばかり大きく、毛はほとんど取れないという情景から生まれました。

The project was great cry and little wool.
(そのプロジェクトは労多くして功少なしだった。)

周の政治を魯で行おうとした孔子への皮肉

「労多くして功少なし」の原型は、中国の思想書『荘子』天運篇にある「労して功なし(労而無功)」という言葉です。
「今の世で周の道を魯において行おうとするのは、舟を陸の上で押すようなものだ。骨を折るばかりで得るものはなく、その身に禍いを招くだけだ」という一節が元になっています。

時代や状況に合わない方法を無理に押し通そうとする愚かさを戒めた言葉で、日本でも古くから「労多くして功少なし」という四字の形で使われてきました。

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