意味
「美酒佳肴(びしゅかこう)」とは、極上の美酒と、豪華な料理のことです。
単に高価な食材を並べるだけでなく、味、香り、見た目のすべてが整った豊かな食卓そのものを称える際に使われます。
- 美酒(びしゅ):風味の優れた、格別においしいお酒。
- 佳肴(かこう):味の良いおかず。お酒に添える立派な料理。
語源・由来
「美酒佳肴」は、漢字それぞれの意味を組み合わせた言葉です。
「佳」は「優れている・美しい」を意味します。
また「肴」という漢字は、中国の古い字典『説文解字』では「啖也(食べるもの)」と説明されている、肉を表す部分を持つ字です。
これが日本に伝わり、お酒のおかずを意味する「さかな(酒菜)」という言葉にこの漢字が当てられました。
最高のお酒と、それに合わせる最高の料理が揃っていることを端的に表しています。
使い方・例文
「美酒佳肴」は、結婚式や祝賀会、高級料亭での会食など、非日常の華やかな場面で用いられます。
また、自分への最大限の労いや、感謝を込めた招待の席を表現する際にも適しています。
- 恩師の還暦祝いの席で、美酒佳肴を囲んで思い出話に花を咲かせた。
- 正月の食卓には、親戚が持ち寄った美酒佳肴がずらりと並んだ。
- 旅先の老舗旅館で、地元の素材を活かした美酒佳肴を堪能した。
類義語・関連語
「美酒佳肴」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 嘉肴美饌(かこうびせん):
非常においしい料理と、立派な食事のこと。「美饌」は素晴らしいご馳走を意味する。 - 山海の珍味(さんかいのちんみ):
山や海でとれる、めったに食べられないような贅沢な食材。また、それらを使った料理のこと。 - 酒池肉林(しゅちにくりん):
贅を尽くした極めて豪華な宴会のこと。
殷の紂王が酒を池とし、肉を林のように掛けて夜通し宴を開いたという『史記』殷本紀の故事から出た語で、度を越した贅沢を思わせるため、お祝いの席で使うときは注意が必要。
対義語
「美酒佳肴」とは対照的な意味を持つ言葉は、以下の通りです。
- 粗衣粗食(そいそしょく):
粗末な服を着て、質素な食事をすること。慎ましい生活の例え。 - 粗食(そしょく):
粗末な食事。質素な食べ物のこと。
英語表現
「美酒佳肴」を英語で表現する場合、以下の表現がニュアンスをよく伝えます。
sumptuous feast
「豪華なご馳走」という意味。
We were treated to a sumptuous feast with the finest wines.
(私たちは、最高級のワインとともに美酒佳肴のもてなしを受けた。)
fine food and wine
「素晴らしい料理とワイン」という意味。
The restaurant is famous for its fine food and wine.
(そのレストランは、まさに美酒佳肴と呼ぶにふさわしい料理とワインで有名だ。)
「美酒佳肴」の「肴」は、魚に限らない酒のおかず
「美酒佳肴」の「肴」という言葉は、もともと「酒菜」、つまり「お酒(さけ)+おかず(な)」という意味の日本古来の言葉に、漢字の「肴」を当てはめたものです。
魚のことは、もともと「いお」「うお」と呼んでいました。
江戸時代以降、次第に「さかな」が魚そのものも指すようになり、明治時代以降に「うお」に取って代わりました。
魚の総称としての「さかな」は江戸(東日本)で生まれ、西日本へ広がったと考えられています。
「美酒佳肴」の「肴」は、この変化より前の「酒のおかず」という意味で使われている字で、魚料理に限りません。










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