意味
「坊主丸儲け(ぼうずまるもうけ)」とは、僧侶が元手をかけずに布施を受け取るように、経費をほとんどかけず、得た利益をそっくり自分のものにできるという意味です。
通常、商売には商品の仕入れ代金や光熱費などの「経費」がかかりますが、そうした持ち出しが全くない、非常に効率の良い収益状態を指します。
転じて、苦労せずに大きな利益を得ることを皮肉って言う場合もあります。
語源・由来
「坊主丸儲け」は、僧侶(坊主)の収入を、商売の元手と儲けに見立てて言った言葉です。
商人が品物を売るには、まず安く仕入れるための元手が必要ですが、僧侶が葬儀や法事で受け取る「お布施」には仕入れ代金がかかりません。
僧侶がそれまでに積んできた修行や知識、読経そのものが対価となるため、いただいたお金の全額がそのまま生活の糧(利益)になります。
使い方・例文
資金を投じていない幸運な利益や、極めて原価の低いビジネスについて述べる際に使われます。
身近な生活の中での「棚ぼた」的な利益から、ビジネスの仕組み解説まで幅広く登場します。
- 拾った流木を加工してインテリアとして売ったら、坊主丸儲けになった。
- 広告費もかけずにSNSの投稿だけで客が殺到したなら、まさに坊主丸儲けだね。
- 趣味で育てた苗が飛ぶように売れ、坊主丸儲けのような状態だ。
誤用・注意点
「坊主丸儲け」は、僧侶という職業を名指しして、元手をかけずに利益を得ていると決めつける言い方です。
言葉の成り立ちを説明する場面では今も使われますが、実在の寺院や僧侶に向ければ、その仕事の中身を見ずに金銭面だけで評価したことになります。
元手のかからない儲けという中身だけを言いたいのであれば、「濡れ手で粟」のように職業を名指ししない言い方があります。
類義語・関連語
「坊主丸儲け」と似た意味を持つ言葉には以下のものがあります。
- 濡れ手で粟(ぬれてであわ):
苦労せずに多くの利益を得ることのたとえ。 - 棚からぼたもち(たなからぼたもち):
思いがけない幸運が舞い込んでくること。 - 漁夫の利(ぎょふのり):
争っている両者の隙をついて、第三者が苦労なく利益を得ること。
対義語
「坊主丸儲け」とは対照的な意味を持つ言葉は以下の通りです。
- 骨折り損のくたびれ儲け(ほねおりぞんのくたびれもうけ):
懸命に努力したにもかかわらず、利益が全く出ずに疲れだけが残ること。 - 持ち出し:
利益が出るどころか、自分の手持ちの資金を削って経費を支払わなければならない赤字の状態。
英語表現
「坊主丸儲け」を英語で表現する場合、以下の定型句が適切です。
money for old rope
直訳すると「古い縄を売って得た金」ですが、ほとんど努力や元手なしで得られる「楽な稼ぎ」を指すイギリス英語の慣用句です。
「楽な稼ぎ」
非常に簡単に、あるいは元手なしで利益を得られる状況で使われます。
Selling these leftovers is money for old rope.
(この残り物を売るのは、坊主丸儲けのようなものだ。)
pure profit
「純利益」を意味しますが、口語では「経費が一切かからない丸々の儲け」というニュアンスで使われます。
「丸儲け」
入ってきた金額がすべて利益になるという事実を強調する際に使われます。
Every cent we make from this app is pure profit.
(このアプリから得られるお金は、一銭残らず坊主丸儲けだ。)
「坊主丸儲け」のお布施は、読経の代金ではない
この言葉は、儲けの多い他人の商売をねたんで言うときにも使われる、皮肉混じりの表現です。
しかし、お坊さんの立場からすれば、お布施は「読経」という目に見えるサービスへの対価ではなく、本来は修行への支援や仏法への感謝として供えられるものでした。
また、実際にはお寺の維持管理や修行にも費用がかかり、元手がまったく要らないわけではありません。










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