意味
「前途多難(ぜんとたなん)」は、この先歩んでいく道のりに、数々の苦難や厄介な災いが待ち構えているという意味です。
- 前途(ぜんと):これから進む先の道のり。将来。未来。
- 多難(たなん):困難や災難が多いこと。
語源・由来
「前途多難」は、「前途」と「多難」という二つの熟語が直接組み合わさってできた四字熟語です。
それぞれの漢字の意味が、そのまま全体の意味を構成しています。
使い方・例文
「前途多難」は、新しい目標に向かって進み始めたものの、先行きに多くの障害や苦労が予想される場面で使われます。
- 資金ゼロからの起業はまさに前途多難と言える。
- 保護犬のしつけは前途多難な道のりである。
類義語・関連語
「前途多難」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 前途遼遠(ぜんとりょうえん):
目的地までの道のりが非常に長く、はるか遠いこと。達成までに途方もない時間がかかることを示す。 - 茨の道(いばらのみち):
苦難や困難が絶えない、非常に厳しい状況や人生の例え。 - 多事多難(たじたなん):
事件や困難が多いこと。
対義語
「前途多難」とは対照的な意味を持つ言葉は以下の通りです。
- 前途洋々(ぜんとようよう):
将来が海のように広く開けていて、希望に満ちあふれているさま。 - 前途有望(ぜんとゆうぼう):
将来に大きな希望や成功が期待できるさま。 - 順風満帆(じゅんぷうまんぱん):
船が追い風を受けて帆いっぱいに進むように、物事がすべて順調に進むさま。
英語表現
「前途多難」を英語で表現する場合、困難な道や待ち受けるトラブルといったフレーズが使われます。
a rocky road ahead
意味:前途に待ち受ける困難な道
We have a rocky road ahead of us.
(私たちの前途は多難だ。)
fraught with difficulties
意味:困難に満ちている
The new project is fraught with difficulties.
(その新しいプロジェクトは前途多難である。)
「前途多難」は先の苦難、「多事多難」は過ぎた年にも
「前途多難」とよく似た四字熟語に「多事多難」があります。
どちらも困難が多いことを表しますが、向いている時間が違います。
「前途多難」の「前途」は「これから進む道のり」です。
そのため「前途多難」が指すのは、まだ起きていないこの先の苦難に限られます。
「多事多難」には、先のことに限るという縛りがありません。
明治37年(1904年)の木下尚江の小説『火の柱』には「多事多難なりける明治三十六年も今日に尽きて」とあり、過ぎていく一年を振り返る言葉として使われています。
これから待ち受ける壁を言うなら「前途多難」、すでに起きた出来事の多さを言うなら「多事多難」と使い分けます。









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