意味
「桜始開(さくらはじめてひらく)」は、桜のつぼみがほころび、花が咲き始める頃を表す七十二候の一つです。
二十四節気「春分」の次候にあたり、現在の暦ではおおむね3月25日から29日ごろに相当します。
この言葉の構成は以下の通りです。
- 桜:日本の春を象徴する花。古来より人々の心を捉えてきた。
- 始:長い冬の沈黙を経て、新しい動きが生まれること。
- 開:固く閉じていた蕾が、内なる生命力によって外へとひらくこと。
ただ「咲く」というだけでなく、「はじめてひらく」という表現を用いることで、冬の終わりと華やかな季節の幕開けを、ドラマチックに描き出しています。
語源・由来
「桜始開」の語源は、古代中国で成立した季節の区分法を、日本の風土に合わせて改訂したことにあります。
中国から伝わり、宣明暦の時代まで使われていた七十二候では、この時期(春分の次候)は「雷乃発声」とされていました。
江戸時代に渋川春海が七十二候を日本の気候や生物に合わせて改訂し、貞享暦で春分の末候に「桜始開桃始笑」が置かれました。
その後の宝暦暦で一部が修正され、「桜始開」は春分の次候に移って現在に至ります。
平安時代以降、日本において「花」という言葉がそのまま桜を指すようになったほど、桜は特別な存在でした。
使い方・例文
「桜始開」は、春の挨拶状や、開花のニュースを耳にした際の日記、日常のやり取りなどで使われます。
特定の期間を指す暦の用語ですが、待ち望んだ開花への喜びを添える言葉としても重宝されます。
例文
- 桜始開の候、街全体が淡い期待感に包まれています。
- カレンダーが桜始開を迎え、春の足音がはっきりと聞こえてきました。
- 桜始開の言葉通り、通学路の古木に最初の一輪を見つけました。
類義語・関連語
「桜始開」と似た情景を表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 桃始笑(ももはじめてわらう):
三月中旬ごろ、桃の花が咲き始める時期を指す七十二候の言葉。
対義語
「桜始開」と対照的な意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 菊花開(きくのはなひらく):
十月中旬ごろ、菊の花が咲き始める時期を指す七十二候の言葉。
英語表現
「桜始開」を英語で表現する場合、開花の始まりを具体的に説明する形が一般的です。
Cherry blossoms begin to bloom
意味:桜の花が咲き始める
According to the traditional calendar, it is the time when cherry blossoms begin to bloom.
(伝統的な暦によれば、今は「桜始開(桜の花が咲き始める)」の時期です。)
気象庁の「開花」は、満開ではなく5輪ほどから始まる
「桜始開」を現代で身近に感じるのは、気象庁による開花宣言のニュースかもしれません。
気象庁は、あらかじめ定められた標本木に5〜6輪の花が咲いた状態をもって「開花」としています。
満開になるのを待つわけではありません。
七十二候の「桜始開」も、満開ではなく咲きはじめを指す言い方です。
暦の上では三月末ごろにあたります。










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