意味
「見切り千両(みきりせんりょう)」とは、含み損を抱えた株式などは、値の戻りを期待して持ち続けず、手放して損切りすべきだという教えを表す相場格言です。
相場以外でも、見込みの薄い物事には早めに見切りをつけたほうが結局は得になる、という意味で仕事や日常の場面に使われます。
語源・由来
相場の世界で言われてきた格言(相場格言)の一つです。
相場において、買った時よりも価格が下がってしまった場合、「いつかまた上がるだろう」と期待して持ち続けると、さらに価格が下落して取り返しのつかない大損をしてしまうことがあります。
そのため、損失が小さいうちに潔く見切りをつけて売却することが、結果的に千両(大金)を得るのと同じくらい価値がある、という厳しい教訓から生まれました。
「見切り千両、損切り万両」と続けて、損切りの重要性をさらに強調して言うこともあります。
使い方・例文
ビジネスにおける撤退の決断から、日常の片付けや悪習慣を断ち切る場面まで幅広く使われます。
- 赤字続きの事業から見切り千両で撤退する。
- 読まない本を見切り千両で思い切って処分した。
- 修理費がかさむ古い車を手放し、見切り千両とする。
- いつまでも上達しない趣味に見切り千両をつける。
誤用・注意点
「見切り千両」は、状況を冷静に見極めた上での「戦略的な撤退」を肯定する言葉です。
単なる飽きっぽさや、少し上手くいかないからといってすぐに投げ出すような、忍耐力のなさを正当化するために使うのは誤りです。
類義語・関連語
「見切り千両」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 損して得取れ(そんしてとくとれ):
一時的には損をしても、将来的に大きな利益を得るようにせよということ。 - 三十六計逃げるに如かず(さんじゅうろっけいにげるにしかず):
形勢が不利なときは、あれこれ策を練るよりも、潔く逃げるのが最善の策であるということ。
対義語
「見切り千両」とは対照的に、諦めずに待つことや続けることの価値を説く言葉は以下の通りです。
- 石の上にも三年(いしのうえにもさんねん):
冷たい石の上でも三年座り続ければ暖かくなるように、辛抱すれば必ず成功することの例え。 - 待てば海路の日和あり(まてばかいろのひよりあり):
今は状況が悪くても、焦らずに待っていればそのうち良い機会が巡ってくるということ。
英語表現
「見切り千両」を英語で表現する場合、投資の世界でも日常でも使われる以下の定型句が適しています。
cut one’s losses
意味:損切りをする、早めに見切りをつける。
これ以上の損失を防ぐために、見込みのないものから手を引くというニュアンスを持ちます。
We should cut our losses and move on.
(見切り千両で次に進むべきだ。)
相場格言では見切り千両と利食い千人力が対になる
「見切り千両」と対になる相場格言に、「利食い千人力」があります。
見切り千両は、値下がりして損が出ている株式などを、値上がりを期待して持ち続けずに手放せという教えです。
利食い千人力は、値上がりして利益が出ているときに、さらに利益を追わず、ある程度で利益を確定させるのが賢明だという教えです。
損が出ている場面と利益が出ている場面のそれぞれで、期待や欲で売り時を逃さないよう戒めています。









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