「天気」にまつわる ことわざ・言い伝えの一覧

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「天気」にまつわる ことわざ・言い伝えの一覧 【特集】ことわざ・慣用句・四字熟語

朝出かける前、空を見上げて傘を持っていくか迷ったり、遠くの山の雲行きを見て急いで洗濯物を取り込んだりする。
スマートフォンで正確な予報が見られる現代でも、ふとした瞬間に空や動物の様子から天候を予想したくなることがあります。
科学的な観測技術がなかった時代、人々は自然のわずかな変化から天気を読み取り、
それを天気にまつわることわざとして日々の暮らしや農作業に役立ててきました。

雨を知らせるサイン

  • 東風吹けば雨(こちふけばあめ):
    東から吹く風は海からの湿った空気を含んでいることが多く、やがて天気が崩れて雨が降るという教え。
    春先の気圧配置の変化を的確に捉えています。
  • 朝焼けは雨(あさやけはあめ):
    朝日が昇る東の空が赤く染まるのは、西から水蒸気を含んだ低気圧や前線が近づいているサインであり、やがて天気が下り坂になることを示しています。
  • 燕が低く飛ぶと雨(つばめがひくくとぶとあめ):
    湿度が高くなると、燕の餌となる小さな昆虫の羽が重くなり地面の近くを飛ぶようになります。
    それを追って燕も低空を飛ぶため、雨の予兆とされます。
  • 猫が顔を洗うと雨(ねこがかおをあらうとあめ):
    湿気が多くなると、猫のヒゲが湿気を帯びて張りがなくなったり、ノミが活発になったりします。
    そのため、顔をこすって洗うような仕草をすると言われています。
  • 月に暈がかかると雨(つきにかさがかかるとあめ):
    月の周りにぼんやりとした光の輪(暈)が見えるのは、上空に薄い氷の雲が広がっているためです。
    これは温暖前線が近づいている証拠であり、天気が崩れる前触れとされます。
  • 山に笠雲がかかると雨(やまにかさぐもがかかるとあめ):
    山の山頂付近に帽子をかぶったような雲ができると、風が強く湿った空気が流れ込んでいる状態であり、雨が近いことを示しています。富士山の笠雲が特に有名です。
  • 蛙が鳴くと雨(かえるがなくとあめ):
    アマガエルなどは気圧の低下や湿度の増加に敏感で、雨が降る前に活発に鳴き声を上げる習性があります。
  • 鐘の音が遠くまで聞こえると雨(かねのおとがとおくまできこえるとあめ):
    天気が崩れる前は上空の気温が上がり、音が地表に向かって屈折しやすくなるため、普段は聞こえない遠くの音が響くようになります。
  • 煙が横にたなびくと雨(けむりがよこにたなびくとあめ):
    低気圧が近づいて湿度が高くなると、煙の粒子が水分を吸って重くなり、まっすぐ上へ昇らずに横へ流れるようになります。
  • 茶碗のご飯粒がきれいに取れると雨(ちゃわんのごはんつぶがきれいにとれるとあめ):
    空気中の湿度が高くなるため、ご飯の水分が蒸発しにくく、茶碗にくっつかずにはがれやすくなるという生活の知恵です。

晴れを約束するサイン

  • 夕焼けは晴れ(ゆうやけははれ):
    夕日が沈む西の空が晴れて赤く染まっているのは、西側に雨雲がない証拠です。
    日本の天候は偏西風に乗って西から東へ移ることが多いため、翌日は晴れると予測できます。
  • 夕虹は晴れ(ゆうにじははれ):
    夕方に東の空に虹が出るということは、西の空はすでに晴れて太陽の光が射している証拠であり、翌日は好天になることを示しています。
  • 朝霧は晴れ(あさぎりははれ):
    夜の間に空が晴れ渡っていると、放射冷却によって地表が冷え込み、空気中の水蒸気が冷やされて霧が発生します。朝霧が出るのは穏やかに晴れた証拠です。
  • 朝露が降りると晴れ(あさつゆがおりるとはれ):
    これも朝霧と同じく放射冷却による現象で、地表の熱が奪われて草葉に水滴がつきます。
    朝露は一日中晴天が続くサインです。
  • 蜘蛛の巣に朝露がかかると晴れ(くものすにあさつゆがかかるとはれ):
    晴れた日の早朝、放射冷却によって冷え込んだ空気中の水分が蜘蛛の巣に結露する現象です。
  • 鳶が高く飛ぶと晴れ(とびがたかくとぶとはれ):
    天気が良く日差しが強いと、地面が暖められて上昇気流が発生します。
    鳶(トビ)はその気流に乗って空高く舞い上がるため、晴天の指標となります。

季節の移り変わりと天候

  • 暑さ寒さも彼岸まで(あつささむさもひがんまで):
    夏の厳しい暑さも秋の彼岸(9月下旬)頃には和らぎ、冬の厳しい寒さも春の彼岸(3月下旬)頃には落ち着いて、過ごしやすくなるという教えです。
  • 秋の空は七度半変わる(あきのそらはななどはんかわる):
    秋は移動性高気圧と低気圧が交互に日本付近を通過するため、天気が短い周期でコロコロと変わりやすいことを表しています。
    女心と秋の空」も同様の気象条件から生まれた言葉です。
  • 春に三日の晴れなし(はるにみっかのはれなし):
    春先も低気圧と高気圧が頻繁に入れ替わるため、晴天が長く続かず、すぐに天気が崩れてしまうことを表現した言葉です。
  • 雷が鳴ると梅雨が明ける(かみなりがなるとつゆがあける):
    梅雨の末期には、南からの暖かく湿った空気と冷たい空気がぶつかり合い、大気の状態が不安定になって雷雨が発生しやすくなります。
    この激しい雨の後に、本格的な夏がやってきます。
  • 雪は豊年の瑞(ゆきはほうねんのしるし):
    雪が多く降った年は、春の雪解け水が豊富で農作物がよく育ち、また土中の害虫が寒さで死滅するため、豊作になりやすいという農家の経験則です。

荒天や注意を促す言葉

  • 雷三日(かみなりみっか):
    雷が一度鳴り始めると、大気の状態が不安定な気圧配置がしばらく続くため、三日くらいは雷雨になりやすいという注意喚起の言葉です。
  • 星が瞬くと風か雨(ほしがまたたくとかぜかあめ):
    上空の風が強く大気の状態が不安定だと、星の光が屈折してチカチカと瞬いて見えます。
    天候が悪化する前触れとされます。
  • 弁当忘れても傘忘れるな(べんとうわすれてもかさわすれるな):
    主に石川県や富山県など北陸地方で使われる言葉。
    秋から冬にかけては天気が変わりやすく、晴れていても突然雨や雪が降るため、雨具が手放せないことを戒めています。
  • 八十八夜の忘れ霜(はちじゅうはちやのわすれじも):
    立春から数えて八十八日目(5月2日頃)は暖かくなる時期ですが、突然冷え込んで晩霜が降りることがあり、農作物の被害に注意を促す言葉です。
  • カマキリが高く卵を産むと大雪(かまきりがたかくたまごをうむとおおゆき):
    カマキリは雪に埋もれないように、その年の積雪量を予測して卵を産み付けるという言い伝えです。
    科学的な根拠は確認されていませんが、自然の神秘を感じさせる有名な言葉です。

まとめ

昔の人々が自然現象を注意深く観察し、そこから見出した天気の知恵は、現代の気象学から見ても理にかなっているものが数多くあります。
空の明るさや雲の形、動物たちのささいな振る舞いに目を向けることは、季節の移ろいや自然の息吹を身近に感じるきっかけにもなるでしょう。

ふとした瞬間に空を見上げ、風の匂いを感じてみる。
普段は通り過ぎてしまう景色の中に、新しい発見が待っているかもしれません。

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