物事を迷わずに進める姿勢や、素早く実行に移す資質を指す「行動力」。
古来より、機を逃さず決断を下すことの重要性は、多くのことわざや四字熟語に刻まれてきました。
行動力の本質を捉えた言葉を、その性質ごとに分類して紹介します。
決断と実行の速さを表す言葉
- 思い立ったが吉日(おもいたったがきちじつ):
何かをしようと思い立った日こそが最も良い日であり、日の吉凶にかかわらず、すぐさま実行に移すのが良いという教え。 - 善は急げ(ぜんはいそげ):
仏教の経典『法句経』にある「善を為すのを急げ」という教えに由来するとされる言葉。良いと思ったことは、ためらわず実行すべきという戒め。 - 鉄は熱いうちに打て(てつはあついうちにうて):
西洋由来のことわざで、江戸後期にオランダ語の辞典を通じて伝わったとされる。好機や情熱があるうちに素早く行動せよというたとえ。 - 即断即決(そくだんそっけつ):
その場ですぐさま状況を判断し、迷いを見せずに結論を出すこと。決断の速さと実行力の高さを併せ持つ様子を表す。 - 迅速果敢(じんそくかかん):
素早く行動に移す「迅速」さと、思い切りよく決断を下す「果敢」さを併せ持つ様子。ためらいなく物事を進めていく態度を表す。 - 電光石火(でんこうせっか):
禅の書物『碧巌録』にも見える禅語が由来とされる言葉。稲妻の光や火打ち石の火花のように、一瞬の隙もなく素早く動くさま。 - 疾風迅雷(しっぷうじんらい):
中国の古典『礼記』にも見える言葉で、激しい風と雷が同時に起こる様子から、事態の急変や行動の素早さをたとえる。 - 猪突猛進(ちょとつもうしん):
猪が獲物や目標に向かって、脇目もふらず一直線に突き進む姿から生まれた言葉。周囲を顧みない猛烈な勢いを表す。
勇気と強い意志を表す言葉
- 清水の舞台から飛び降りる(きよみずのぶたいからとびおりる):
江戸時代、清水寺の舞台から観音様に願をかけて飛び降りると願いが叶うとされた民間信仰に由来する。命がけの覚悟で決断を下すたとえ。 - 有言実行(ゆうげんじっこう):
自分が口にした目標や約束を、あえて周囲に宣言したうえで、有言不実行に終わらせず最後までやり遂げようとする行動。 - 不言実行(ふげんじっこう):
『論語』に見える孔子の教えが由来とされる言葉。あれこれ言葉で説明する前に、まず黙って行動し、結果で示す実直な姿勢。 - 剛毅果断(ごうきかだん):
意志が強くくじけない「剛毅」と、思い切って物事を決める「果断」を組み合わせた言葉。困難な状況でも迷わず決断を下す様子。 - 進取果敢(しんしゅかかん):
自ら進んで新しいことに取り組む「進取」の気性と、大胆に決断する「果敢」さを併せ持ち、積極的に行動していく様子。 - 勇往邁進(ゆうおうまいしん):
恐れやためらいを持たず、目的に向かってひたすら勇ましく突き進んでいくこと。困難があっても後戻りしない強い意志を表す。 - 獅子奮迅(ししふんじん):
仏教経典に由来する言葉で、もとは仏が衆生を救う力を「獅子奮迅の力」と称した。現代では猛烈な勢いで物事に取り組む様子を表す。 - 乾坤一擲(けんこんいってき):
唐の詩人韓愈の詩に由来する言葉。「乾坤」は天地、「一擲」はさいころを投げる意で、運命をかけた大勝負に打って出ること。 - 一念発起(いちねんほっき):
仏教語「一念発起菩提心」に由来し、本来は悟りを求めて心を起こすことを指した。転じて、固く決意して物事に取り組み始めること。
他者に先んじる姿勢を表す言葉
- 先んずれば人を制す(さきんずればひとをせいす):
『史記』項羽本紀に見える言葉に由来する。秦末の反乱前夜に語られた台詞が元になっており、他人より先に動けば有利に立てるという教え。 - 先鞭をつける(せんべんをつける):
中国の武将劉琨が、ライバルに先を越されることを恐れたという『晋書』の故事に由来する言葉。他人より先に物事に着手すること。 - 機先を制す(きせんをせいす):
相手が行動を起こす直前の「機先」、すなわち出鼻をとらえて先に動き、有利な立場を作り出すこと。駆け引きの場面で使われる。 - 率先垂範(そっせんすいはん):
人の先頭に立って自ら行動し、その姿を手本として示すこと。口先だけでなく行動によって周囲を導いていく態度を表す。
実務能力や多忙な動きを表す言葉
- 口八丁手八丁(くちはっちょうてはっちょう):
8つの道具を巧みに使いこなす職人にたとえた言葉が由来とされる。話術も実務の腕も達者だが、やや皮肉を込めて使われることもある。 - 快刀乱麻を断つ(かいとうらんまをたつ):
中国の史書『北斉書』にある、絡まった麻糸を刀で断ち切った皇子の逸話に由来する言葉。もつれた問題を鮮やかに解決することのたとえ。 - 矢も盾もたまらず(やもたてもたまらず):
江戸時代の滑稽本『浮世床』にも見える古い表現。矢や盾さえ意に介さないほど気持ちが高ぶり、いてもたってもいられない様子。 - 東奔西走(とうほんせいそう):
「奔走」は中国の古典『詩経』にも見える言葉。ある目的のために東に西にとせわしなく走り回り、精力的に活動すること。









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