もくじ
「一言半句」の意味 – ほんのわずかな言葉
「一言半句」とは、ほんのわずかな言葉、きわめて短い言葉を意味する四字熟語です。
単独で使われることは少なく、多くは「~もない」「~も聞き入れない」のように否定的な表現を伴って、「少しの言葉も(~ない)」という意味で用いられます。
「ごくわずかな言葉すら」という点を強調する際に使われる表現です。
「一言半句」の語源 – 言葉の成り立ち
「一言半句」の由来となる特定の故事はありません。似た意味を持つ言葉を重ねて、その意味を強調しています。
- 一言(いちごん):ひとこと。短い言葉。
- 半句(はんく):「句」は詩や文章の区切りを意味し、その半分であることから、きわめて短い言葉のたとえ。
この二つが合わさり、「ほんのわずかな言葉」を強調する「一言半句」という言葉になりました。
「一言半句」の使い方と例文 – 否定表現と共に
前述の通り、「一言半句」は主に否定的な表現と一緒に使われ、「わずかな言葉さえも~ない」という状況を表します。
- 弁解や反論、意見などを全く聞き入れない様子。
- 不平や不満などを全く口にしない様子。
- 秘密などを全く漏らさない様子。
- 言葉を全く発しない、または発することができない状況。
例文
- 「彼は私の言い訳を、一言半句も聞こうとしなかった。」
- 「どんなに辛くても、彼女は一言半句の不満も漏らさなかった。」
- 「その件に関しては、彼はまだ一言半句も語っていない。」
- 「あまりの驚きに、一言半句も出なかった。」
「一言半句」の類義語 – 短い言葉
ごくわずかな言葉を表す言葉です。
- 片言隻語(へんげんせきご):わずかな言葉。ちょっとした短い言葉。「一言半句」とほぼ同じ意味で使われます。
- 一言一句(いちごんいっく):ひとつひとつの言葉すべて。否定を伴うと「一言半句」に近い意味にもなりますが、「言葉のすべて」を指す場合もあります。
- 寸言(すんげん):短い言葉。簡潔な批評や意見。
「一言半句」の対義語 – 多くの言葉
言葉数が多いことや、長々と話す様子を表す言葉です。
- 長広舌(ちょうこうぜつ):長々ととりとめもなくしゃべり続けること。
- 滔々(とうとう)と述べる:水が流れるように、よどみなく盛んにしゃべるさま。
- 多弁(たべん):口数が多いこと。おしゃべり。
- 饒舌(じょうぜつ):言葉数が多いこと。よくしゃべること。
「一言半句」の英語での類似表現 – Not a Single Word
英語で「一言半句も~ない」のニュアンスに近い表現です。
- not a single word
意味:一言も(~ない)。 - not even a syllable
意味:一音節すら(~ない)。ごくわずかな言葉もないことを強調する表現。 - without a word
意味:一言もなく、黙って。
「一言半句」を使う上でのポイント
「一言半句」を使う上で最も重要なのは、基本的に否定的な表現(「~ない」「~ぬ」など)と共に使うということです。
「彼は一言半句を述べた」のような肯定的な使い方は、一般的ではありません。
「ごくわずかな言葉すら~ない」という、程度の低さを強調したい場合に効果的な表現です。
まとめ – 一言半句という言葉の強調
「一言半句」は、きわめて短い、ほんのわずかな言葉を意味する四字熟語です。
多くの場合、「~ない」といった否定語を伴い、「少しの言葉さえも」というニュアンスを強調します。
弁解や不満が全くないこと、あるいは言葉を発することすらできない状況などを表現する際に使われます。
否定表現とセットで使う、という特徴を覚えておくと良いでしょう。
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