意味
「赤子の手を捻る」は、自分よりずっと弱い相手を軽々と打ち負かすこと、あるいはそれくらい物事を難なくやってのけられることをたとえた言葉です。
語源・由来
抵抗する力を持たない赤ん坊の細い手をひねるように、相手を負かすことが極めて容易であるという、現実的な力の差(比喩)から生まれた言葉です。
圧倒的な弱者の象徴として「赤子」を引き合いに出した日本古来の表現です。
使い方・例文
「赤子の手を捻る」は、相手との実力差が歴然としていて簡単に勝てる場面や、作業が非常に簡単な場面で使われます。
- 横綱にとって、新入幕の力士を相手にするのは赤子の手を捻るようなものだ。
- 熟練の職人からすれば、この程度の修理は赤子の手を捻るよりも簡単だろう。
類義語・関連語
「赤子の手を捻る」と似た意味を持つ言葉には以下のようなものがあります。
- 鎧袖一触(がいしゅういっしょく):
鎧の袖が少し触れただけで相手が倒れるほど、簡単に敵を打ち負かすこと。 - 朝飯前(あさめしまえ):
朝食を食べる前のわずかな時間でもできるほど、物事が非常に簡単なこと。
英語表現
like taking candy from a baby
直訳:赤ん坊からキャンディを取り上げるように
意味:抵抗できない相手から何かを奪うように、非常に簡単なこと。
Beating that team was like taking candy from a baby.
(あのチームに勝つのは赤子の手を捻るようなものだった。)
a piece of cake
意味:一切れのケーキを食べるように簡単なこと。朝飯前。
This problem is a piece of cake.
(この問題は赤子の手を捻るより簡単だ。)
文献に残る最古の用例は「腕を捻る」だった
「赤子の手を捻る」が文献に登場する最古の例は、江戸時代末期の慶応元年(1865年)に上演された歌舞伎鶴千歳曾我門松のせりふだと考えられています。
そこでは「彼奴等五人七人は、赤子の腕を捻ぢるも同然」と、現在の「手」ではなく「腕」を使った形で書かれています。
この古い言い回しは、単に動作が簡単というだけでなく、力の差がどうにもならないほど歴然としていることを強調していたとみられます。
その後「腕」が「手」に置き換わり、現在よく知られる「赤子の手を捻る」という形に変化していきました。











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