カラスの行水

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慣用句
カラスの行水
(からすのぎょうずい)

9文字の言葉か・が」から始まる言葉
カラスの行水 【個別】ことわざ・慣用句・四字熟語

湯船に浸かったかと思えば、もう脱衣所で体を拭いている。
湯気が立ち上る浴室から驚くほどの速さで戻ってくるような、極端に入浴時間が短い様子を、「カラスの行水」(からすのぎょうずい)と言います。

意味・教訓

「カラスの行水」とは、お風呂に入っている時間が極めて短いことを指す言葉です。

単に手際が良いということではなく、汚れが十分に落ちたか疑わしくなるほど、慌ただしく入浴を済ませてしまう様子を揶揄(やゆ)するニュアンスが含まれます。

語源・由来

「カラスの行水」の由来は、野生のカラスが水浴びをする際の実際の習性にあります。
カラスは羽の汚れを落とすために水浴びを好みますが、非常に警戒心が強い鳥です。
水に浸かっている間は外敵に襲われるリスクが高まるため、一瞬だけ水に浸かってはすぐに飛び立つという動作を繰り返します。
この、せわしなく一瞬で終わる水浴びの様子が、人間の短い入浴に重ね合わされて使われるようになりました。

古くは「江戸いろはかるた」の読み札の一つとして採用されたことで、庶民の間にも広く定着したと言われています。

使い方・例文

入浴時間が短い人や、その行為自体を指して使われます。
家族間や親しい間柄での会話でよく登場する表現です。

例文

  • 弟は風呂嫌いで、湯船に浸かった瞬間に上がってくる。カラスの行水だ。
  • せっかくの温泉旅行なのに、カラスの行水ではもったいない。
  • 忙しい朝は、シャワーだけでカラスの行水のように済ませる。

類義語・関連語

「カラスの行水」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 早風呂(はやぶろ):
    入浴時間が極めて短いこと、またはその人。
  • 雀の行水(すずめのぎょうずい):
    カラスと同様に、スズメがパチャパチャと短時間で水浴びをする様子から。
  • 烏の足洗い(からすのあしあらい):
    入浴時間が非常に短いことの古風な言い回し。

対義語

「カラスの行水」とは対照的な意味を持つ言葉は以下の通りです。

  • 長風呂(ながぶろ):
    長い時間、お風呂に浸かっていること。

英語表現

「カラスの行水」を英語で表現する場合、以下のようなフレーズが適切です。

A quick dip

「さっと浸かること」
お風呂やプールなどに短時間だけ入るニュアンスで使われます。

  • 例文:
    I only have time for a quick dip before dinner.
    夕食の前にカラスの行水をする時間しかない。

A cat’s lick

「猫の毛繕い(のような短い洗浄)」
猫が体を舐めて掃除する程度の、ごく短い洗浄を指す比喩表現です。

  • 例文:
    He just gave himself a cat’s lick and ran out.
    彼はカラスの行水のようにさっと体を洗って飛び出していった。

豆知識:カラスは本当にお風呂嫌い?

この言葉のイメージから、カラスは水浴びが嫌いだと思われがちですが、実際はその逆です。
カラスは非常にきれい好きで、羽についた寄生虫を落とすために、一日に何度も水浴びをすることがあります。
「短い入浴」は、不潔だからではなく、厳しい野生の世界で生き抜くための「高度な警戒心の現れ」なのです。
そう考えると、いつも早風呂の人も、実はとても慎重な性格なのかもしれません。

まとめ

カラスの警戒心からくる短い水浴びが、現代では「お風呂が早い人」を指す身近な言葉として定着しました。
せわしない日常の中でも、この言葉の由来に思いを馳せれば、ただの早風呂が少しだけユニークな風景に見えてくることでしょう。

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