意味
「勝負は時の運(しょうぶはときのうん)」とは、物事の勝ち負けは実力の優劣だけでなく、その時の運勢やタイミングに大きく左右されるものであるという意味です。
- 勝負:勝ち負けを争うこと。
- 時の運:その時々の巡り合わせや、天から与えられた運。
万全の準備を整えても、予測できない偶然の要素が結果を左右することは避けられません。
この言葉は、負けた際に自分や他人の心を軽くするための慰めとして使われる一方で、勝った際に自らの実力だと過信せず、謙虚さを忘れないための自戒としても用いられます。
語源・由来
戦の勝ち負けを「時の運」によるものとする言い方は、南北朝時代の軍記物語『太平記』にも出てきます。
巻第十五で、足利方の細川定禅が新田義貞の軍に敗れた直後、配下の兵に向けて次のように語っています。
軍の勝負は時の運に依事なれば、強に恥ならねども
(戦の勝ち負けはその時の運によるものだから、負けても必ずしも恥ではないが)
定禅はこのあと、今日の負けは自分たちの落ち度だとして、少数の兵で巻き返しの戦に出ています。
使い方・例文
「勝負は時の運」は、結果を潔く受け入れる際や、過度な落胆や慢心を戒める場面で端的に使われます。
例文
- 「全力を尽くしたのだから、あとは勝負は時の運だ。」
- 「今回は運が味方して優勝できたが、勝負は時の運だから次はわからない。」
- 「不採用だったが、勝負は時の運と考えて次を探す。」
- 「勝負は時の運だから、あまり自分を責めるなよ。」
類義語・関連語
「勝負は時の運」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 人事を尽くして天命を待つ(じんじをつくしててんめいをまつ):
自分にできる限りの努力をした後は、結果を運命に任せるしかないという心境。 - 運は天にあり(うんはてんにあり):
人の力ではどうすることもできない運命は、天の意志によって決まるということ。 - 賽は投げられた(さいはなげられた):
もはや後戻りはできない状況で、結果は運に委ねるしかないことを指す。 - 運否天賦(うんぷてんぷ):
運を天に任せること。または、人の運不運は天が決めるものであるということ。
対義語
「勝負は時の運」とは対照的な、自己責任や必然性を説く言葉は以下の通りです。
- 自業自得(じごうじとく):
自分のしたことの結果は、善悪にかかわらずすべて自分自身に返ってくること。 - 因果応報(いんがおうほう):
過去の善悪の行為に応じて、現在受ける結果が定まるということ。 - 努力は嘘をつかない(どりょくはうそをつかない):
積み重ねた努力は、必ず裏切ることなく結果に結びつくという考え。
英語表現
「勝負は時の運」を英語で表現する場合、巡り合わせを意味するフレーズを使います。
You win some, you lose some
意味:勝つこともあれば、負けることもある。
誰にでも成功もあれば失敗もある、という意味の英語のことわざ。
Don’t take it too hard. You win some, you lose some.
(そんなに落ち込むな。勝負は時の運だよ。)
The luck of the draw
意味:運次第、くじ運。
Winning the prize was just the luck of the draw.
(賞を取れたのは、ただの巡り合わせだった。)
勝負は時の運の「時」は、その時ごとの巡り合わせ
「時の運」は、そのときどきの巡り合わせを指す言い方です。
「運」だけでなく「時」を添えることで、いつでも同じ結果になるわけではない、という含みが出ます。
同じ趣旨の言い方に「勝敗は兵家の常」があります。
こちらは漢籍に出てくる「一勝一敗は兵家の常」に基づく言い方です。









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