慣用句

片腹痛い

(かたはらいたい)

相手の言動があまりに愚かで、おかしくてたまらないこと。


7文字の言葉 / 「か・が」から始まる言葉
片腹痛い ことば
スポンサーリンク

意味

「片腹痛い(かたはらいたい)」とは、実力や身の程に見合わない大げさな言動が、あまりに滑稽であきれてしまうという意味です。
あきれながらも思わず笑いたくなるような、相手を見下す気持ちを込めて使われます。

  • 片腹(かたはら):もとの表記は「傍ら」で、そば・わきのこと。
  • 痛い(いたい):体の痛みではなく、見ていられない気持ちを表す。

語源・由来

「片腹痛い」は、もともと「傍ら痛し」という古語でした。
「傍ら」はそばや周囲を意味し、「痛し」はここでは肉体的な痛みではなく、見ていられないほど気まずく、いたたまれない気持ちを表します。

古語の「傍ら痛し」には、そばで見ていて気がもめる・苦々しいという意味のほか、はたから見て滑稽だという意味もあり、今の「片腹痛い」はこのあざけりの意味で使われています。

使い方・例文

「片腹痛い」は、身の程知らずな言動を見て呆れる場面で使われます。

  • 実力もないのに大口を叩くとは片腹痛い。
  • 初心者のくせに講釈を垂れるなど片腹痛い話だ。
  • そんな言い訳、片腹痛くて聞いていられない。
スポンサーリンク

類義語・関連語

「片腹痛い」と同様に、呆れて笑いたくなる気持ちを表す言葉には、以下のようなものがあります。

  • 笑止千万(しょうしせんばん):
    非常に愚かで、思わず嘲笑してしまうこと。
  • 噴飯物(ふんぱんもの):
    あまりの馬鹿馬鹿しさに、思わず笑ってしまうような物事。

「片腹痛い」と「笑止千万」の違い

どちらも相手の愚かさに呆れる気持ちを表しますが、視点の置き方に違いがあります。
「片腹痛い」は身の程をわきまえない言動そのものへの呆れを表すのに対し、「笑止千万」はより広く、状況全体の馬鹿馬鹿しさに対する強い嘲りを表します。

語句視点ニュアンス
片腹痛い
(かたはらいたい)
身の程知らずな言動呆れ交じりの見下し
笑止千万
(しょうしせんばん)
状況全体の馬鹿馬鹿しさ強い嘲り

英語表現

ridiculous

あまりに馬鹿馬鹿しく、笑ってしまうほどであることを表す表現。

His claim to be an expert is ridiculous.
(彼が専門家を名乗るなど片腹痛い。)

「片腹痛い」はもと「傍ら痛し」、「は」の読みに名残

もとの「かたはらいたし」がどんな気持ちだったかは、清少納言の『枕草子まくらのそうし』の「かたはらいたきもの」の段から分かります。
そこには、次のような場面が挙げられています。

客人などにあひてものいふに、奥のかたにうちとけ事などいふを、えは制せで聞く心地

(= 客と会って話しているときに、奥で家の者が内輪の話をしているのを、止めることもできずに聞いている気持ち)
「傍ら」は古くは「かたはら」と発音されましたが、平安時代の中ごろから言葉の途中の「は」が「わ」と発音されるようになり、「かたわら」に変わりました。
ところが「かたはらいたし」は「片腹痛し」と受け取られたため、「片腹」の「はら」として「は」の音が残ったとされます。
今も「傍ら」は「かたわら」、「片腹痛い」は「かたはらいたい」と読み分けるのは、このためです。

スポンサーリンク

コメント

URLをコピーしました