これといった根拠もないのに、なぜか胸騒ぎがして、悪いことが起こる気がしてならない。
そんな理屈を超えた予感を表すのが、「虫の知らせ」(むしのしらせ)です。
意味
「虫の知らせ」とは、根拠はないが、なんとなく良くないことが起こりそうな予感という意味です。
後になって実際に何かが起きた時、あの胸騒ぎは「虫の知らせ」だったのかと振り返る形で使われることが多い言葉です。
科学的な根拠を伴わない、あくまで感覚的な予感を指す表現です。
- 虫(むし):ここでは、潜在意識や第六感のたとえ
- 知らせ(しらせ):何かを伝える予兆
語源・由来
「虫の知らせ」は、体内に棲むとされた虫が、危険や異変を持ち主に知らせてくれるという古くからの発想に由来します。
「虫の居所が悪い」や「腹の虫がおさまらない」と同じく、体の中には感情や体調を左右する虫が棲んでいると考えられていました。
この虫が、まだ言葉にできない不安や危険を敏感に察知し、それが胸騒ぎという形で本人に伝わる、という発想から「虫の知らせ」という表現が生まれたとされています。
使い方・例文
「虫の知らせ」は、根拠のない胸騒ぎや予感を表す場面で使われます。
- 今日はどうも虫の知らせがして、出かける気になれない。
- 電話が鳴る前から胸騒ぎがしていたのは、虫の知らせだったのだろうか。
- 祖母は最期の日、家族が集まってくることを虫の知らせで悟っていたようだ。
類義語・関連語
「虫の知らせ」と同じく、根拠のない予感を表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 胸騒ぎがする(むなさわぎがする):
理由もなく、不安で落ち着かない気持ちになること。 - 虫が知らせる(むしがしらせる):
「虫の知らせ」と同じ意味を持つ動詞形の言い回し。
言葉にできない予感を、体は先に察知しているのか
「虫の知らせ」のような、理由のわからない胸騒ぎについては、心理学の分野でも関心が寄せられてきた。
人はわずかな物音や気配、周囲の様子のちょっとした変化などを、意識にのぼる前の段階で感覚的に処理していることがあるとされる。
こうした情報が、はっきりとした理由として言語化される前に、漠然とした不安感だけが先に浮かび上がってくることがあり、これが「予感」として体験される一因ではないかと考えられている。
理由が言葉になる前に、体の感覚だけが先に反応していることがあるという指摘は、この言葉の実感とも重なる。









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