慣用句

もぬけの殻

(もぬけのから)

人が去った後の寝床や住居が空っぽであること。

異形:蛻の殻

6文字の言葉」から始まる言葉
もぬけの殻 ことば
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意味

直前までそこに人がいた形跡があるにもかかわらず、いざ確認すると誰もいない、という状況を表します。
逃走や失踪など、追う側の当てが外れた場面で使われることが多い言葉です。

  • もぬけ:虫や蛇が脱皮すること
  • (から):中身が抜けた後に残る外側の部分

語源・由来

「もぬけの殻」は、セミやヘビが脱皮した後に残す「抜け殻」に由来する言葉です。

セミの幼虫は地上に出て木に登り、そこで殻を破って成虫になりますが、脱皮の跡には、姿形はそのままの空っぽの殻だけが残されます。
外見はそのままなのに中身だけがすっかり抜け出てしまっているこの様子を、人が去った後の空っぽの寝床や部屋にたとえたことから、「もぬけの殻」という表現が生まれました。

使い方・例文

「もぬけの殻」は、人がいたはずの場所に誰もいなかった状況を表す場面で使われます。

  • 警察が踏み込んだ時、部屋はすでにもぬけの殻だった。
  • 朝になって様子を見に行くと、鳥かごはもぬけの殻だった。
  • 出社したら、彼のデスクはもぬけの殻になっていた。

類義語・関連語

「もぬけの殻」と同じく、いるはずの人や物がいなくなった状態を表す言葉には、以下のようなものがあります。

  • 雲隠れ(くもがくれ):
    人が姿を消し、行方が分からなくなること。
  • 夜逃げ(よにげ):
    借金などから逃れるため、夜のうちにひそかに立ち去ること。

平安時代の辞書は蛇の抜け殻を「はみのもぬけ」と呼んだ

「もぬけ」はもとは「蛻」「裳脱け」などと表記され、蛇や蝉が脱皮することを指す言葉だった。
平安時代に編まれた辞書『和名類聚抄』には、蛇が抜け出したあとの殻を「はみのもぬけ」と記した項目があり、少なくとも千年ほど前から抜け殻そのものを指す言葉として使われていたことがわかる。

「もぬけの殻」という言い方は、この「もぬけ」に「殻」を重ねた表現で、もとは文字どおり脱皮した後の抜け殻そのものを指していた。
それが転じて、人が出て行った後の、もぬけの抜け殻のようにがらんとした住居や寝床、さらには魂が抜けたような人の体まで指すようになった。

中身だけが抜け出て、外側の形だけが残るという脱皮の情景が、そのまま人がいなくなった後の空っぽな状態を言い表す言葉として定着した点に、この慣用句の成り立ちがある。

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