意味
「おんぶに抱っこ」は、幼児が背負ってもらった次には抱いてほしいとせがむようすを、大人の頼りきった態度に重ねた言い方です。
相手の迷惑を考えずに、何もかも人に任せてしまうようすを表します。
人の好意にすっかり甘えている点をとがめる調子で使われます。
- おんぶ:子供を背負うこと、背負われること。
- 抱っこ(だっこ):だくこと、だかれること。
語源・由来
「おんぶに抱っこ」は、幼児をあやす二つの動作を並べた言い回しです。
「おんぶ」は動詞「おぶう」の音が変わったもので、子供を背負うこと、また背負われることをいう幼児語です。
「抱っこ」も、だくこと、だかれることをいう幼児語です。
背負ってもらったうえに、さらに抱いてもらうという重ね方が、人に任せきりにしている度合いを表しています。
幼児がおんぶの次には抱っこしてとせがむように、他人の好意に甘えて、迷惑を顧みずに頼りきることをいいます。
使い方・例文
「おんぶに抱っこ」は、自分では手を動かさず、相手にすべて任せてしまっている場面で使われます。
- 準備から片づけまで、彼女におんぶに抱っこだった。
- 就職しても親におんぶに抱っこでは格好がつかない。
- 会計も予約も先輩におんぶに抱っこで申し訳ない。
類義語・関連語
「おんぶに抱っこ」と同じように、自分の力を使わず他人に頼ることを表す言葉には以下のようなものがあります。
- 他力本願(たりきほんがん):
仏の力で救われる教え。または他人の力に頼る様子。 - 人の褌で相撲を取る(ひとのふんどしですもうをとる):
他人の物や努力を利用して、自分の利益を図ること。 - 寄らば大樹の陰(よらばたいじゅのかげ):
頼るなら、力のあるものを選ぶのが得策である。
「おんぶに抱っこ」と「他力本願」の違い
どちらも自分以外の力に任せている点が同じで、頼りきる態度を責めるときに並べて使われます。
分かれるのは、頼る相手と、言葉のもとになった世界です。
| 語句 | 頼る相手 | 言葉のもと |
|---|---|---|
| おんぶに抱っこ (おんぶにだっこ) | 世話をしてくれる身近な人 | 幼児をあやす動作 |
| 他力本願 (たりきほんがん) | 仏、または他人 | 仏の力で救われる教え |
対義語
「おんぶに抱っこ」と正反対に、人の手を借りずに自分の力だけでやっていくことを表す言葉があります。
英語表現
live off
お金や暮らしの面倒を人に見てもらって生きていくことを表す言い方。
He still lives off his parents.
(彼はいまだに親に養ってもらっています。)
wait on someone hand and foot
身の回りのことを何から何まで世話してやる、という表現。
His mother waits on him hand and foot.
(母親が彼の身の回りを何から何まで世話しています。)
幼児語を二つ重ねた言い回し
「おんぶ」も「抱っこ」も幼児語です。
大人の態度をいう言葉でありながら、材料は二つとも子どもの世界から来ています。
「おんぶ」は一語だけでも他人の援助を受けること、特に金銭面で他に頼ることを表します。
同じ意味の古い言い方には「おぶえば抱かりょう」があります。









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