意味
「勝ち馬に乗る」とは、競馬で勝った馬に乗るという場面にたとえた言い回しです。
勝負がついた側や、勝ちそうな側にあとから加わって、その恩恵を受けることを指します。
派閥の力関係を見極めて動くような、組織のなかでの立ち回りを語る場面でも使われます。
- 勝ち馬(かちうま):競馬で勝った馬。勝つと予想される馬。
- 乗る(のる):誘いや流れにしたがって、その側に加わること。
語源・由来
「勝ち馬に乗る」は、競馬で勝った馬を指す「勝ち馬」から出た言い方です。
「勝ち馬」はもともと、賀茂の競べ馬で勝った馬を指す言葉で、のちに競馬で勝った馬も指すようになりました。
「勝ち馬」はたとえとして、勝者や、事業などで成功して勢いのある人を指します。
その比喩の上に、勝った側や勢いのある人の側について恩恵を受けるという慣用句ができました。
使い方・例文
「勝ち馬に乗る」は、勢いのある側にあとから加わる振る舞いを語る場面で使われます。
- 情勢を見きわめてから勝ち馬に乗るのが彼のやり方だ。
- 議論の終盤で意見を変え、勝ち馬に乗った格好になった。
- 支持が固まってから勝ち馬に乗る人が増えてきた。
類義語・関連語
「勝ち馬に乗る」と同じように、他人の勢いに便乗する振る舞いを表す言葉には以下のようなものがあります。
- 尻馬に乗る(しりうまにのる):
分別もなく他人の言動に同調して、軽はずみに振る舞うこと。 - 寄らば大樹の陰(よらばたいじゅのかげ):
頼るなら、勢力のある側を選ぶのが得策だという教え。 - 付和雷同(ふわらいどう):
自分の考えを持たず、他人の意見にすぐ同調すること。
「勝ち馬に乗る」と「尻馬に乗る」の違い
どちらも馬にたとえた言い方で、他人の動きにあとから乗る点が共通します。
違いは何に乗るかで、「勝ち馬に乗る」は勝った側という結果に乗り、「尻馬に乗る」は他人の言動そのものに乗ります。
| 語句 | 乗る相手 | 見ているもの |
|---|---|---|
| 勝ち馬に乗る (かちうまにのる) | 勝った側・強い側 | 勝ち負けの結果 |
| 尻馬に乗る (しりうまにのる) | 他人の言動 | その場の調子 |
英語表現
jump on the bandwagon
優勢な側や流行にあとから加わることを表す言い方で、日本語でも「バンドワゴンに乗る」と言い換えられる表現。
Everyone jumped on the bandwagon after the team started winning.
(チームが勝ち始めると、みんなが勝ち馬に乗りました。)
夏の季語としての「勝ち馬」
「勝ち馬」は、俳句で夏の季語として扱われる言葉です。
季語としての「勝ち馬」が指すのは、京都市北区の賀茂別雷神社で五月五日に行われる競べ馬の神事で勝った馬です。
この神事は1093年に宮中の行事を神社へ移して始められたとされます。
左方と右方に分かれた乗り手が二頭ずつ走って速さを競い、勝った側には褒美として白絹が贈られました。









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