慣用句

天秤にかける

(てんびんにかける)

二つのものの重さや価値を比べて、どちらを選ぶか考えること。


8文字の言葉 / 「て・で」から始まる言葉
天秤にかける ことば
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意味

「天秤にかける(てんびんにかける)」とは、二つのものの価値や重さを比べ合わせて、どちらを選ぶべきか判断するという意味です。
損得や優劣を冷静に見比べる響きがあり、時には打算的な印象を伴うこともあります。

  • 天秤(てんびん):重さを量る道具。支点を挟んだ左右の皿の傾きで、重さを比べる。

語源・由来

「天秤にかける」は、重さを量る道具である天秤の仕組みをそのまま比喩にした言葉です。
天秤は、支点を挟んだ左右の皿にものを載せ、傾き具合によってどちらが重いかを比べる道具です。
この、目に見える形で二つのものの重さを比べるという動作が、金銭や恋愛、仕事上の選択など、目には見えない価値や利害を比べて優劣を判断するという意味に転じました。

使い方・例文

「天秤にかける」は、二つの選択肢のどちらを取るか、損得や重要性を比較する場面で使われます。

  • 安定と挑戦を天秤にかけ、彼は転職を決意した。
  • 二人からの誘いを天秤にかけるなんて、失礼な話だ。
  • 値段と品質を天秤にかけた結果、少し高い方を選んだ。

類義語・関連語

「天秤にかける」と同じく、二つのものを比べる場面や、損得を意識する場面で使われる言葉には、次のようなものがあります。

  • 損得勘定(そんとくかんじょう):物事を行う前に、自分にとっての利益と損失を計算すること。
  • 二股をかける(ふたまたをかける):都合よく物事を進めるため、同時に二つの関係を持つこと。

「天秤にかける」と「両天秤をかける」の違い

比較して選ぶ行為と、両方に保険をかけておく行為は別のものなので、混同しないよう注意が必要です。

語句することの中身
天秤にかける二つを比較して一方を選ぶ
両天秤をかけるどちらに転んでも損しないよう、両方に関係を持ち続ける

「天秤にかける」と「二股をかける」の違い

どちらも二つのものを同時に意識する点は共通していますが、目的が異なります。
「天秤にかける」はどちらか一方を選ぶための比較が目的であるのに対し、「二股をかける」はどちらも手放さず、両方をつなぎとめておくことが目的です。

語句目的結果
天秤にかける
(てんびんにかける)
一方を選ぶための比較最終的にどちらかを選ぶ
二股をかける
(ふたまたをかける)
両方をつなぎとめるどちらも手放さない
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英語表現

weigh A against B

二つのものを比較して優劣や重要性を測るという意味の表現で、天秤にかけるとほぼ同じ発想を持つ最も近い言い方。

She weighed her career against her family life.
(彼女はキャリアと家庭生活を天秤にかけた。)

weigh the pros and cons

物事の利点と欠点を比較して検討するという意味の表現で、天秤にかけるの「損得を見極める」側面に近い。

Before signing, he carefully weighed the pros and cons.
(契約前に、彼は慎重に天秤にかけて考えた。)

「天秤棒」は、商いの相棒でもあった

「天秤」という言葉は、比べる道具だけでなく、江戸時代の行商人が担いだ「天秤棒」という別の道具も指します。

天秤棒は、両端に商品を入れた箱やかごを吊るし、肩に担いで売り歩くための棒です。
魚や野菜、日用品を売り歩く「棒手振り」と呼ばれる商人たちの必需品で、幕府が振売の許可証を発行した1659年(万治2年)の時点で、江戸だけで約5900人がこの姿で商いをしていたと記録されています。

比べる道具としての天秤と、担いで運ぶ道具としての天秤棒。同じ「天秤」という言葉が、まったく違う二つの役割で使われてきました。

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