意味
「心を痛める」とは、第三者の不幸や苦しい状況を知って、我がことのように深く思いわずらうことを表す慣用句です。単なる心配よりも重く、同情や胸の痛みを伴う場面で使われます。
語源・由来
「心を痛める」の「痛める」は、心の状態を、体が傷ついたときの感覚にたとえた言い方です。心配や悲しみで受けるダメージを、目に見える体の痛みに置き換えることで、心の状態を実感を伴って伝えています。
使い方・例文
「心を痛める」は、身近な人の不幸や困難な状況を知って、深く心配したり悲しんだりする場面で使われます。
- 被災地の惨状を伝えるニュースに、多くの人が心を痛めた。
- 年頃の娘がなかなか結婚に前向きにならず、母は心を痛めている。
類義語・関連語
「心を痛める」と同じように、心配や悩みを抱える様子を表す言葉には、次のようなものがあります。
- 胸を痛める(むねをいためる):
「心を痛める」とほぼ同じ意味で使われる、体の部位が違うだけの言い方。 - 気に病む(きにやむ):
ちょっとしたことをいつまでも気にかけ、思い悩み続けること。 - 頭を痛める(あたまをいためる):
解決の糸口が見えない問題を前に、悩みぬくこと。
「心を痛める」と「頭を痛める」の違い
どちらも「痛める」を使う言い方ですが、悩みの中身が違います。「心を痛める」は誰かを気の毒に思う感情的な痛みを表すのに対し、「頭を痛める」は解決策の見えない問題そのものへの苦慮を表します。
| 語句 | 悩みの中身 | 伴う感情 |
|---|---|---|
| 心を痛める (こころをいためる) | 誰かの不幸や心配事 | 同情・悲しみ |
| 頭を痛める (あたまをいためる) | 解決しにくい問題 | 困惑・苦慮 |
英語表現
break someone’s heart
誰かを深く悲しませる、または自分自身が深く悲しむ場面で使う表現。
It breaks my heart to see him struggling like this.
(彼がこんなに苦しんでいるのを見ると、心が痛みます。)
weigh on one’s mind
心配事がずっと気にかかり、心の重荷になっている状態を表す表現。
Her son’s illness has been weighing on her mind all week.
(彼女はこの一週間、息子の病気にずっと心を痛めています。)
仮想のボール遊びが刺激する場所
心理学者ナオミ・アイゼンバーガーらは、参加者にボールを投げ合う仮想ゲームで仲間はずれにされる体験をしてもらい、そのときの脳の働きをMRIで調べる実験を行いました。仲間はずれにされた参加者では、体の痛みを感じたときに働く脳の部位である前帯状皮質の活動が高まることが分かりました。
「心を痛める」という言い方は比喩に過ぎませんが、誰かのつらい状況を思って感じる痛みと、体が受ける痛みは、脳の中ではかなり近い場所で処理されているということになります。









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