二字熟語

鼠算

(ねずみざん)

鼠が次々に子を産んで増えるように、物事の数量が短期間で急激に増加すること。


5文字の言葉 / 「ね」から始まる言葉
鼠算 ことば
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意味

「鼠算(ねずみざん)」とは、鼠が子を産んで増えるように、数量が急激に増えていくことのたとえです。
もともとは鼠が増える様子を題材にした和算の計算問題の名前で、「鼠算式に増える」という形で、借金や噂などが手に負えないほど急増する場面に使われます。

語源・由来

「鼠算」は、江戸時代の和算書塵劫記じんこうきに載っている計算問題の名前がもとになっています。
この本は、和算家の吉田光由よしだみつよしが1627年(寛永4年)にまとめたもので、そろばんの使い方や、米や金銀の売買、両替、検地など、当時の商人や役人が使う実務の計算問題を、絵入りで分かりやすく解説していました。
その中に含まれていたのが、鼠が子を産んで増えていく様子を数える、次のような問題です。

正月にねすミちゝはゝいてゝ、子を十二ひきうむ、おや共に十四ひきになる、此ねすミ二月にハ、子も又子を十二匹つゝうむゆへに、おや共に九十八ひきになる、かくのことに、月に一度つゝ、おやも子も、又まごもひこも月々に十二ひきつゝうむ時に、十二月にハなにほとになるそといふ
(正月に父母の鼠が子を12匹産んで親子合わせて14匹、2月には子もまた子を12匹ずつ産んで親子合わせて98匹になり、このように毎月1回、親も子も孫もひ孫も12匹ずつ産むと、12月にはどれだけの数になるか)

答えは二百七十六億八千二百五十七万四千四百二疋(27,682,574,402匹)と記されています。
解き方として、鼠2匹に7を12回掛ければよいことも書き添えられています。
この爆発的な増え方が、鼠算という言葉が急激な増加のたとえとして使われる理由です。

使い方・例文

  • 返済を先延ばしにした借金は、利息が利息を生んで鼠算式に膨らんだ。
  • 駆除を怠ったところ、庭のナメクジは鼠算式に数を増やした。
  • ネット上で広まった噂は、またたく間に鼠算式に膨れ上がった。
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類義語・関連語

鼠算と同じ計算のことを指す、次のような呼び方もあります。

  • 鼠勘定(ねずみかんじょう):
    鼠算の別称。
  • 鼠算用(ねずみざんよう):
    鼠算の別称。

英語表現

multiply like rabbits

直訳は「ウサギのように増える」。
動物が猛烈な勢いで数を増やす様子から、物事や数が急激に増えていく状況を指す表現。

Once a couple of mice got into the barn, they began to multiply like rabbits.
(つがいのネズミが納屋に入り込むと、あっという間に数を増やし始めた。)

snowball effect

直訳は「雪玉効果」。
転がる雪玉が徐々に大きくなるように、物事が加速しながら膨れ上がっていく現象を指す表現。

A small delay in one department created a snowball effect that stalled the whole project.
(一つの部署でのわずかな遅れが次第に膨らみ、プロジェクト全体を止めてしまった。)

『塵劫記』は鼠算の276億匹に、米の量と行列の長さも問うた

『塵劫記じんこうき』の鼠算には、答えの276億匹余りを使って解く問題が、さらに2つ付いています。
1つは、この鼠が1日に米を半合ずつ食べるとき、1日に食べる米の量を求める問題です。
もう1つは、鼠を1列につないだ長さを求める問題で、原文には次のようにあります。

又、右之ねすミ尾にくらひ付、くらひ付して海をハたりて入唐するといふ時、何程つゝくそといふ、但一里ハ丗六町、一町ハ六十間、一間ハ六尺五寸にして、ねすミの長四寸にして也
(また、この鼠が前の鼠の尾に次々と食いついて列になり、海を渡って唐へ行くとしたら、どれほどの長さに続くか。ただし1里は36町、1町は60間、1間は6尺5寸、鼠1匹の長さは4寸とする)

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