暴飲暴食

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慣用句 四字熟語
暴飲暴食
(ぼういんぼうしょく)

9文字の言葉ほ・ぼ・ぽ」から始まる言葉

ついつい好きな食べ物を目の前にして、お腹がいっぱいなのに箸が止まらなくなってしまう。
あるいは、ストレスが溜まったときに、お酒を度を越して飲んでしまうこともあるものです。
このような、分量を考えずに飲食をむさぼる様子を、
「暴飲暴食」(ぼういんぼうしょく)と言います。
健康を損なう原因として、古くから戒められてきた言葉です。

意味・教訓

「暴飲暴食」とは、度を超えてむやみにお酒を飲んだり食べ物を食べたりすることを指します。

  • (ぼう):荒々しい、むやみに、ほしいまま。
  • (いん):飲み物を飲む。
  • (しょく):食べ物を食べる。

自律を失い、身体が受け付けられる限界を超えて飲み食いする行為、およびその習慣を戒めるニュアンスが含まれています。

語源・由来

「暴飲暴食」の由来は、漢字それぞれの意味を組み合わせた構成にあります。
特定の中国古典に典拠がある「故事成語」ではなく、日本において「暴(むやみに)」という性質と「飲食」という行為が結びついて定着した言葉です。

江戸時代の養生訓などでも、健康の基本は「飲食の節制」にあると説かれており、その対極にある行為として「暴飲暴食」が批判されてきました。
もともとは「暴飲」と「暴食」というそれぞれの言葉が組み合わさってできた四字熟語であり、人間の尽きない食欲に対する警鐘として現代まで使われ続けています。

使い方・例文

自分の欲求をコントロールできずに食べ過ぎてしまった際や、他人の健康を気遣う場面で使われます。
日常生活、学校生活、家庭内など、幅広いシーンで登場する言葉です。

例文

  • テストが終わった解放感から、放課後に友達と「暴飲暴食」をしてしまい、夜にお腹を壊した。
  • 「お正月だからといって暴飲暴食を繰り返すと、仕事が始まってから体が重くなるわよ」と母にたしなめられた。
  • 彼は失恋のショックを紛らわすために、毎晩のように「暴飲暴食」に走っている。

誤用・注意点

「暴飲暴食」は、文字通り「飲んで食べる」という両方の行為をセットで指す言葉です。
どちらか一方だけの極端な行為を指す場合は、以下のように使い分けるのが正確です。

  • お酒だけを極端に飲む場合:暴飲
  • 食べ物だけを極端に食べる場合:暴食

また、この言葉には「自業自得」や「不健康」というネガティブな響きがあるため、目上の人に対して「昨晩は暴飲暴食されたのですか?」などと使うのは、相手を揶揄するような失礼な表現になる恐れがあります。

類義語・関連語

「暴飲暴食」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 鯨飲馬食(げいいんばしょく):
    クジラのように飲み、馬のように食べるということ。
    一度に極めて大量の飲食をすることを指します。
  • 牛飲馬食(ぎゅういんばしょく):
    牛が水を飲むように、馬が草を食べるように、たくましく飲み食いすること。
    「鯨飲馬食」とほぼ同義ですが、より身近な動物に例えられています。
  • 飽食(ほうしょく):
    飽きるほど十分に食べること。
    単なる食べ過ぎだけでなく、食べ物に困らない豊かな社会を指す際にも使われます。

対義語

「暴飲暴食」とは対照的な意味を持つ言葉は、節度を守る姿勢を表します。

  • 粗衣粗食(そいそしょく):
    粗末な服を着て、粗末な食事をすること。
    贅沢をせず、質素に暮らす様子を指します。
  • 節制(せっせい):
    度を越さないよう、欲望を控えめにすること。
    特に健康管理において、飲み食いをコントロールすることを言います。
  • 腹八分目(はらはちぶんめ):
    満腹になるまで食べず、八分目くらいで抑えておくこと。
    腹八分目に医者いらず」と言われるように、健康維持の知恵として親しまれています。

英語表現

「暴飲暴食」を英語で表現する場合、以下のフレーズが適しています。

excessive eating and drinking

  • 意味:「過度の飲食」
  • 解説:医学的、あるいは日常的な説明として最も標準的な表現です。
  • 例文:You should avoid excessive eating and drinking for your health.
    (健康のために暴飲暴食は避けるべきだ。)

binge eating and drinking

  • 意味:「一気食い、一気飲み」
  • 解説:短期間に一気に、欲望のままに飲み食いする「むちゃ食い」に近いニュアンスです。
  • 例文:He suffered from a stomachache after binge eating and drinking.
    (彼は暴飲暴食の後、胃痛に苦しんだ。)

豆知識:江戸時代の健康ブーム

「暴飲暴食」を戒める文化は、江戸時代に確立されました。
当時、貝原益軒(かいばらえきけん)が著した『養生訓(ようじょうくん)』は、当時のベストセラーとなり、庶民に「腹八分目」の概念を浸透させました。

それまでの時代は、食べ物があるときに食べ溜めをするのが一般的でしたが、平和な江戸時代になり食が安定したことで、逆に「食べ過ぎによる病気」が注目されるようになったのです。
「暴飲暴食」という言葉が現代でも身近なのは、こうした「健康は自分で管理するもの」という江戸時代からの教訓が、日本人の意識に根付いているからだと言えるかもしれません。

まとめ

「暴飲暴食」は、日々の生活の中で誰しもが経験してしまうような、人間らしい弱さを表す言葉でもあります。
しかし、その代償として健康を害してしまっては元も子もありません。
自分の身体と向き合い、適切な分量を楽しむことの難しさと大切さを、この四文字は静かに教えてくれています。
ハレの日や楽しい集まりであっても、節度を持って楽しむことが、長く健康的な生活を送るための秘訣と言えるかもしれません。

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