意味
「腹八分目に医者いらず」は、満腹になるまで食べずに少し物足りない程度で抑えれば、病気にならず健康に過ごせるという意味です。
過度な飲食が胃腸に負担をかけ、あらゆる病気の原因となるため、適量を守ることで医者にかかる必要がなくなるという身体の仕組みに基づいた教えを表しています。
語源・由来
江戸時代の儒学者である貝原益軒が著した健康指南書『養生訓』の思想に由来するとされています。
同書では「空腹になってから食べ、満腹になる前に箸を置く」という過食を戒める節制の教えが説かれており、この考え方が庶民の間で分かりやすいことわざとして定着したとされています。
使い方・例文
「腹八分目に医者いらず」は、食事の量を控えるよう忠告したり、食べ過ぎを自戒したりする場面で使われます。
- 祖父の長寿の秘訣は、腹八分目に医者いらずの食事だ。
- バイキングビュッフェでも腹八分目に医者いらずを心がける。
- 胃腸の調子が悪いので、腹八分目に医者いらずを実践する。
類義語・関連語
「腹八分目に医者いらず」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 腹も身の内(はらもみのうち):
胃腸も自分の身体の一部であるため、暴飲暴食を慎みいたわるべきであるという教え。 - 大食短命(たいしょくたんめい):
大量に食べる者は胃腸を酷使するため、長生きできずに早く死ぬ傾向があるということ。
対義語
「腹八分目に医者いらず」と反対の意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
英語表現
Light suppers make long life
意味:軽い夕食は長寿をもたらすということ。
Remember that light suppers make long life.
(軽い夕食は長寿をもたらすということを覚えておきなさい。)
貝原益軒の教えが元になっている
「腹八分目」という言い回しの背景としてよく挙げられるのが、江戸時代の儒学者・貝原益軒が1713年に著した養生書『養生訓』です。
益軒は飲食について、満腹になるまで食べず、八分目か九分目で箸を置くことを繰り返し説きました。
ただし『養生訓』そのものに「腹八分目」という四字がそのまま登場するわけではありません。
後世の人が、益軒の飲食節制の教えを要約する形でこの言い回しを使うようになったと考えるのが実情に近いといえます。
「医者いらず」という結びは、食べ過ぎによる胃腸の負担を減らせば、それだけ病を招きにくいという素朴な観察を言い添えたものです。













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