意味
「腹八分目に医者いらず(はらはちぶんめにいしゃいらず)」は、満腹になるまで食べずに少し物足りない程度で抑えれば、病気にならず健康に過ごせるという意味です。
語源・由来
「腹八分目」は、満腹するまで食べずに八分目ぐらいでやめておくことで、「腹八分」「腹八合」とも言います。
これに、医者の世話にならずに済むという意味の「医者いらず」を続けたのが「腹八分目に医者いらず」で、「腹八分に医者いらず」とも言います。
使い方・例文
「腹八分目に医者いらず」は、食事の量を控えるよう忠告したり、食べ過ぎを自戒したりする場面で使われます。
- 祖父は長生きの秘訣を聞かれると、「腹八分目に医者いらずだよ」と言って、まだ食べられそうなところで箸を置く。
- おかわりを頼もうとした夫に、「腹八分目に医者いらずって言うでしょう」と声をかけた。
- 還暦を過ぎてからは腹八分目に医者いらずの教えを守り、夕食のご飯は軽く一杯にしている。
類義語・関連語
「腹八分目に医者いらず」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 腹も身の内(はらもみのうち):
胃腸も自分の身体の一部であるため、暴飲暴食を慎みいたわるべきであるという教え。 - 大食短命(たいしょくたんめい):
大量に食べる者は長生きできないということ。
対義語
「腹八分目に医者いらず」と反対の意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
英語表現
Light suppers make long life
軽い夕食は長生きのもとになる、という意味のことわざ。
Remember that light suppers make long life.
(軽い夕食は長寿をもたらすということを覚えておきなさい。)
The best doctors are Doctor Diet, Doctor Quiet, and Doctor Merryman
最高の名医は節食先生・安静先生・陽気先生、という意味のことわざ。
中世ヨーロッパの健康の教えを詩にした『サレルノ養生訓』の「陽気な心、休息、ほどほどの食事」に由来する言い方。
My grandmother used to say that the best doctors are Doctor Diet, Doctor Quiet, and Doctor Merryman.
(祖母は、最高の名医は節食先生、安静先生、陽気先生だとよく言っていた。)
養生訓の目安は八分でなく「八九分」
「腹八分目に医者いらず」の考え方の背景としてよく挙げられるのが、江戸時代の儒学者・貝原益軒が1713年に著した養生書『養生訓』です。
飲食の節制について、次のように書いています。
珍美の食に対すとも、八九分にてやむべし。
十分に飽き満るは後の禍あり。
(珍しくおいしい料理を前にしても、八分か九分でやめるのがよい。
十分に満腹するまで食べると、後で災いがある。)
益軒が示した目安は「八九分」で、八分目ちょうどとは書いていません。
続けて、少しの間がまんすれば後の災いはなく、少し食べて味のよさを知れば、満腹まで食べたときと楽しみは同じだとも書いています。













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