常識が通じない。説明もできない。ただ、目の前の光景に言葉を失うばかり。
そんな、理解の範疇をはるかに超えた風変わりで不思議な様子のことを
「奇妙奇天烈」(きみょうきてれつ)と言います。
意味・教訓
「奇妙奇天烈」とは、非常に不思議で、きわめて風変わりなさまを指す言葉です。
類を見ないほど奇妙であることを強調する表現として使われます。
- 奇妙(きみょう):普通とは違っていて、不思議なこと。
- 奇天烈(きてれつ):非常に風変わりで、常識では考えられないほど不思議なこと。
この二つの語を重ねることで、単なる「不思議」では言い表せないほどの、驚きを伴うおかしな様子を表現しています。
語源・由来
「奇妙奇天烈」は、似た意味を持つ二つの言葉を繋げて強調した表現です。
江戸時代から明治時代にかけて定着した俗語的な四字熟語であり、特定の古典に出典があるわけではありません。
「奇天烈」の語源は、程度がはなはだしいことを示す「烈」を「奇体(きたい)」に添えた「奇体烈」が変化したものと考えられています。
もともと「奇体」だけで不思議な様子を意味していましたが、より強い驚きを表現するために「奇天烈」という言い回しが生まれました。
さらに、一般に広く浸透していた「奇妙」と結びつくことで、よりインパクトのある強調表現として現代まで語り継がれています。
使い方・例文
「奇妙奇天烈」は、常識では考えられないような奇抜な行動や、風変わりな光景を形容する際に用いられます。
困惑しつつも、どこか面白みを感じるようなニュアンスで使われることが多い言葉です。
例文
- 彼は奇妙奇天烈な発明品を披露した。
- 街角に奇妙奇天烈な看板の店がある。
- 弟が奇妙奇天烈なダンスを踊って笑わせる。
- 山道で奇妙奇天烈な形の石を見つけた。
マンガ・アニメでの使用例
『キテレツ大百科』(藤子・F・不二雄)
発明好きの少年が、先祖の残した書物をもとに不可思議な道具を作り出す物語です。
テレビアニメ版のオープニングテーマ『キテレツ大百科のうた』において、その世界観を象徴するフレーズとして登場します。
奇妙 奇天烈 摩訶不思議……
この一節は、常識を超えた発明品や不思議な出来事を表す代名詞として、世代を超えて広く知られるようになりました。
類義語・関連語
「奇妙奇天烈」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 摩訶不思議(まかふしぎ):
人間の知恵では計り知れないほど不思議なこと。 - 奇々怪々(ききかいかい):
きわめて怪しく、不思議なさま。 - 奇天烈(きてれつ):
非常に風変わりで、不思議なこと。
対義語
「奇妙奇天烈」とは対照的な意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 平凡(へいぼん):
ごく普通で、変わったところがないこと。 - 平穏無事(へいおんぶじ):
変わったこともなく、穏やかなこと。
英語表現
「奇妙奇天烈」を英語で表現する場合、以下のような定型表現があります。
bizarre
「奇妙な」「風変わりな」を意味し、衝撃的な奇抜さを伴う際に使われます。
非常に奇妙で、常識外れな様子。
- 例文:
It was a bizarre sight.
それは奇妙奇天烈な光景だった。
extremely strange
「極めて奇妙な」という直訳的な表現ですが、強調のニュアンスが明確に伝わります。
普通の不思議さを超えていること。
- 例文:
He has an extremely strange hobby.
彼は奇妙奇天烈な趣味を持っている。
まとめ
「奇妙奇天烈」は、言葉の響き自体がすでに少し不思議で、どこか楽しい表現です。
日常のなかでふと出会う、説明のつかない個性や、常識からはみ出した何かを目にしたとき、この言葉はしっくりと馴染みます。
驚きをそのまま受け止め、世の中の多様な「変さ」を面白がる余裕が持てたなら、毎日がもう少し豊かになるかもしれません。




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