二字熟語

垂涎

(すいぜん)

よだれを垂らして食べ物を欲しがること。転じて、ある物を手に入れたいと強く願うこと。


4文字の言葉 / 「す・ず」から始まる言葉
垂涎 ことば
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意味

「垂涎(すいぜん)」とは、おいしそうな物を前に、よだれを垂らすことをいいます。
そこから、ある物をぜひ自分のものにしたいと強く願うことの意味でも使います。

語源・由来

この言葉は、「涎よだれを垂らす」と書く漢語で、古くは前漢の賈誼かぎが著した『新書』に出てくる言葉です。
北方の遊牧民である匈奴きょうどの人々が、ごちそうの話を聞いて伝え合う様子を書いた、次の一節です。

一國聞之者、見之者,垂涎而相告
(国じゅうの、それを聞いた者や見た者が、よだれを垂らして互いに言い伝える)

漢の朝廷が匈奴きょうどの使者や投降者をごちそうでもてなせば、自分も漢へ行けば同じものが食べられると思わせられる、という狙いを述べた箇所です。

使い方・例文

「垂涎する」と動詞にもなり、「垂涎の的」(= 欲しがる気持ちが集まる物)の形でも使います。

  • 店先に並んだ焼きたての肉まんを見て、弟は垂涎していた。
  • 祖父の書斎にある初版本は、古書好きの友人にとって垂涎の的だ。
  • 限定生産の腕時計は、収集家なら垂涎の一品だ。
  • 新しい研究所の設備は、他大学の研究者が垂涎するほど充実している。
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読み方の注意

本来の読みは「すいぜん」で、「すいせん」とも読みます。
「すいえん」は慣用読み(= 本来とは違うが広く通用している読み)として認められる一方、誤りとする見方もあるため、改まった場では「すいぜん」と読むほうが安心です。

類義語

  • 喉から手が出る(のどからてがでる):
    ほしくてたまらない気持ちのたとえ。

賈誼の策「五餌」は目・口・耳・腹・心を狙う

『新書』のこの一節は、賈誼かぎが漢の皇帝に示した五餌ごじという策の一部です。
匈奴きょうどの人々の目・口・耳・腹・心をそれぞれ餌で引きつけ、戦わずに漢へ従わせようという考えでした。

目には刺しゅうの衣服や飾った車、口にはごちそう、耳には音楽や踊りを用意し、さらに立派な屋敷や穀物の蔵、皇帝じきじきのもてなしで腹と心をつかむ、という組み立てです。
よだれを垂らす場面は、このうちの口の餌に出てきます。

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