捨てる神あれば拾う神あり

スポンサーリンク
ことわざ
捨てる神あれば拾う神あり
(すてるかみあればひろうかみあり)
異形:捨てる神あれば助ける神あり

15文字の言葉す・ず」から始まる言葉
捨てる神あれば拾う神あり 【個別】ことわざ・慣用句・四字熟語

就職試験に落ちてしまったり、恋人に振られたり、あるいは仕事で失敗して信頼を失ったり…。
人生には、誰かに見放されて深く傷つく瞬間があります。そんな時、ふと差し伸べられた予期せぬ救いの手に、心の底から救われた経験はないでしょうか。
捨てる神あれば拾う神あり」は、そんな人生の不思議な巡り合わせと、希望を説く言葉です。

「捨てる神あれば拾う神あり」の意味

世の中にはさまざまな人がいるため、自分を見捨てる人がいても、一方で助けてくれる人も必ずいるということ。

  • 捨てる神:自分を見限ったり、不利益を与えたりする人や状況。
  • 拾う神:自分の価値を認め、助けやチャンスを与えてくれる人や状況。

一つの不運や人間関係の破綻が人生の全てではなく、「くよくよせずに前を向きなさい」という励ましの意味が強く込められています。
また、「人の価値観は多様である」(ある人にとっては無用でも、ある人にとっては宝物になる)という教訓も含んでいます。

「捨てる神あれば拾う神あり」の語源・由来

この言葉は、特定の神話や古典文学に由来するものではありません。
古くから人々の生活の中で生まれた世間のならわしを「神」に例えたことわざです。

ここでの「神」は、特定の宗教的な神様を指しているのではなく、「人知を超えた運命の巡り合わせ」や、自分に影響を与える「他者」の比喩です。

日本には古くから、あらゆるものに神が宿るという八百万(やおよろず)の神の考え方があります。
自分に災いをもたらす存在(貧乏神や疫病神など)もいれば、福をもたらす存在もいるという世界観が、人間社会の多様な人間模様を映す鏡として、この言葉に反映されています。

「捨てる神あれば拾う神あり」の使い方・例文

主に、失敗して落ち込んでいる人への励ましや、不運の後に幸運が訪れた際の実感として使われます。ビジネスから日常会話まで幅広く使える言葉です。

例文

  • 第一志望の会社には落ちたが、別の会社から熱烈なオファーをもらった。まさに「捨てる神あれば拾う神あり」だ。
  • チームを外されて落ち込んでいたとき、別のプロジェクトリーダーが「君が必要だ」と声をかけてくれた。「捨てる神あれば拾う神あり」とはこのことだ。
  • 「捨てる神あれば拾う神あり」だよ。今回の失恋は辛いだろうけど、君の良さを分かってくれる人は必ず現れるさ。

文学作品での使用例

  • 夏目漱石『吾輩は猫である』
    「……捨てる神あれば拾う神ありとか云うから、まあ精出して辛抱するさ」 苦境にあっても、なんとかなるだろうという楽観的な心情を表す場面で使われています。
    明治時代にはすでに、庶民の処世術として定着していたことがうかがえます。

「捨てる神あれば拾う神あり」の類義語・関連語

世の中の広さや、人の情け、運命の好転を表す言葉を紹介します。

  • 渡る世間に鬼はなし(わたるせけにおにはなし):
    世の中には無慈悲な人ばかりではなく、親切で人情味のある人も必ずいるということ。「世の中捨てたものではない」というニュアンスが共通している。
  • 人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま):
    人生の幸・不幸は予測しがたく、悪いことが良い結果に転じることもあるということ。
  • 残り物には福がある(のこりものにはふくがある):
    人が取り残した物の中に、思いがけない利益があるということ。「人が捨てた(選ばなかった)ものに価値がある」という点で通じる部分がある。

類語との使い分け

  • 「捨てる神あれば拾う神あり」
    悪いことがあった直後に、別の誰か(救い手)が現れるという「対比」と「救済」に焦点がある。
  • 「渡る世間に鬼はなし」
    他人の「善意」や「優しさ」を信じる性善説的なニュアンスが強い。

「捨てる神あれば拾う神あり」の英語表現

英語圏にも、一つの扉が閉ざされても、別の道が開けるという類似の考え方があります。

When one door shuts, another opens.

  • 直訳:一つのドアが閉まれば、別のドアが開く。
  • 意味:「一つの機会を失っても、必ず新しい機会が訪れる」
  • 解説:捨てる神(閉じるドア)と拾う神(開くドア)の対比が明確で、最も近いニュアンスで使われる表現です。

Every cloud has a silver lining.

  • 直訳:どの雲にも銀の裏地がついている。
  • 意味:「どんなに悪い状況でも、必ず希望の光(良い側面)がある」
  • 解説:厚い雲(不運)の向こうには太陽(希望)が輝いていることを表します。

「捨てる神あれば拾う神あり」に関する豆知識

「相性」と「マッチング」の教え

このことわざの奥深いところは、「捨てる神」を必ずしも「悪者」として描いていない点にあります。

「捨てる神」にとっては不要だったとしても、それは単に「相性が悪かった」あるいは「その時のニーズに合わなかった」だけかもしれません。
一方で「拾う神」にとっては、それが「探していたもの」である可能性があります。

現代風に言えば、これは「マッチング」の問題です。
自分を否定されたと感じても、それは「場所」や「相手」が違っただけ。
自分の価値そのものがなくなったわけではないと教えてくれる点が、この言葉が長く愛される理由かもしれません。

まとめ

「捨てる神あれば拾う神あり」は、人生における出会いと別れ、そして再起の希望を説く力強い言葉です。
誰かに否定されたり、居場所を失ったりしても、それはあくまで「一つの場所」での出来事に過ぎません。
広い世の中には、あなたの価値を正しく理解し、必要としてくれる「拾う神」が必ず待っています。
失敗を恐れず、次なる出会いを信じて前へ進む勇気を持ちましょう。

スポンサーリンク

コメント