ことわざ 慣用句

便りの無いのは良い便り

(たよりのないのはよいたより)

連絡がないのは、何事もなく無事に暮らしている証拠だということ。

異形:便りのないのは無事な証拠

13文字の言葉 / 「た・だ」から始まる言葉
便りの無いのは良い便り ことば
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意味

「便りの無いのは良い便り(たよりのないのはよいたより)」とは、連絡がないのは、特に変わったこともなく無事に暮らしている証拠であるという意味です。

人は悪いことが起きればすぐに誰かに助けを求めたり報告したりしますが、順調な時にはあえて連絡をしないことも多いものです。
そのため、連絡が途絶えていることを心配しすぎる必要はないという安心や慰めの言葉として使われます。

語源・由来

「便りの無いのは良い便り」は、英語のことわざである「No news is good news」を日本語に訳したもので、明治末期に現在の形で定着したと推定されています。

もとにあるのは、「悪い知らせ(凶報)ほど早く伝わる」という考えです。
手紙や電報しかなかった時代には、急ぎの悪い知らせはすぐに届く一方、ふだんの無事をわざわざ書いて知らせることは少なかったので、この言葉には説得力がありました。

今では日本のことわざのように親しまれ、親子や親戚の間で、相手を心配する気持ちをやわらげる言葉として使われています。

使い方・例文

「便りの無いのは良い便り」は、相手の安否を気遣う場面で、その状況を良いほうに受け止めるときに使われます。
長く連絡をしていない自分を正当化するための言葉ではありません。

例文

  • 息子から一度も電話がないが、便りの無いのは良い便りと思って見守ろう。
  • 「最近あいつから連絡がないな」「便りの無いのは良い便り、元気なんだろう」
  • ご無沙汰しております。便りの無いのは良い便りで、家族一同元気です。

誤用・注意点

自分が連絡を怠っている「言い訳」に使うと、無責任に聞こえることがあります。
特に目上の人に対して、「便りの無いのは良い便りと言いますから、連絡しませんでした」と伝えると、不誠実な印象を与えかねません。

ふつうは、連絡を待つ側が、自分の不安を打ち消したり、相手を信じて見守ったりするときに使います。

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類義語・関連語

「便りの無いのは良い便り」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 無沙汰は無事の便り(ぶさたはぶじのたより):
    便りがないのは無事に過ごしている証拠である。意味は「便りの無いのは良い便り」とほぼ同じ。
  • 無事息災(ぶじそくさい):
    病気や事故などの災難がなく、元気で平穏に暮らしている様子。
  • 平安無事(へいあんぶじ):
    変わったことが何もなく、安らかで穏やかな様子。

対義語

「便りの無いのは良い便り」とは対照的に、悪い情報の性質を説いた言葉を紹介します。

  • 悪事千里を走る(あくじせんりをはしる):
    悪い噂や失敗談は、あっという間に遠くまで知れ渡ってしまうという意味。

英語表現

「便りの無いのは良い便り」を英語で表現する場合、由来となった以下のフレーズを使用します。

No news is good news

直訳は「ニュース(知らせ)がないのは良いニュースだ」で、17世紀の英国ですでに使われていた非常に有名なことわざ。
日本語の「便りの無いのは良い便り」もここから訳された表現。

I haven’t heard from them, but no news is good news.
(彼らから連絡はないけれど、便りがないのは良い便りだね。)

「便りの無いのは良い便り」の訳、明治と大正

英語の No news is good news は、明治36年(1903)の英和辞典では「報知のなきは善き報知である」と訳されています。
同じ辞典は、「何とも報知のないのは変りのないと云ふ報知である」と言い添えています。

大正末の1925年に出た英作文の参考書には、「便りのないのはよい便りと云ひますから、あの人から何も便りがないが元気よくやつて居ることでせう」という例文が載っています。
その英訳は、The proverb says, “No news is good news.” で始まります。
明治の辞典では直訳調だった訳が、大正末には今とほぼ同じ「便りのないのはよい便り」の形で使われています。

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