名言・格言 ことわざ

来る者は拒まず、去る者は追わず

(くるものはこばまずさるものはおわず)

慕ってくる者は寛容に受け入れ、去っていく者は本人の自由意志を尊重して無理に引き留めないこと。

異形:去る者は追わず、来る者は拒まず

17文字の言葉く・ぐ」から始まる言葉
来る者は拒まず、去る者は追わず ことば
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意味

来る者は拒まず、去る者は追わずとは、近づいてくる人は心を開いて迎え入れ、離れていく人の選択は尊重して深追いしないという意味です。

語源・由来

古代中国の思想家である孟子の言行録『孟子』尽心・下に由来します。

原文では「往く者は追わず、来たる者は拒まず」と記されており、学ぶ意欲があって訪ねてくる者は身分を問わず受け入れ、去っていく弟子は無理に引き留めないという、教育者としての公平で執着のない態度を示した言葉でした。

使い方・例文

「来る者は拒まず、去る者は追わず」は、対人関係において執着を手放し、相手の意思を尊重する場面で使われます。

  • 誰に対しても分け隔てなく接し、来る者は拒まず、去る者は追わずの姿勢を貫いている。
  • 人間関係に執着せず、来る者は拒まず、去る者は追わずを信条としている。

類義語・関連語

「来る者は拒まず、去る者は追わず」と似た意味を持つ言葉には、以下のものがあります。

  • 袖振り合うも多生の縁(そでふりあうもたしょうのえん):
    道ですれ違うような些細な出会いにも前世からの縁があるという考え方。
    出会いと別れを自然の流れとして受け入れる点で本語に通ずる姿勢。

対義語

「来る者は拒まず、去る者は追わず」と反対の意味を持つ言葉には、以下のものがあります。

  • 後を追う(あとをおう):
    去ろうとする相手を未練がましく引き留めたり、執着して追いかけたりする行為。
    ※ことわざとしての明確な対義語は定着していないための慣用的な対概念。

英語表現

welcome all who come, wish well all who go

直訳:来る者を歓迎し、去る者の幸を願う
意味:来訪者を寛容に受け入れ、去る者を無理に引き留めない執着のない姿勢

He lives by the principle: welcome all who come, wish well all who go.
(彼は来る者は拒まず、去る者は追わずの精神で生きています。)

※本語に直接対応する定型の英語慣用句は存在しないため、意味を反映した表現を採用しています。

『孟子』に見る、本来の語順と意図

孟子がこの言葉を口にしたのは、ある弟子が盗みを働いたのではないかと疑われた場面でした。
周囲の疑いに対し、孟子は自らの教育方針を説明する中で、この一文を語ったと伝えられています。

原文では「去る者」ではなく「往く者」が先に置かれており、現在日本で定着している語順とは前後が入れ替わっています。
特定の相手に執着せず、訪れる者と去る者の両方を等しく受け入れる孟子の姿勢は、長い時間を経て人間関係全般における距離の取り方を表すことわざとして定着しました。

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