大きな目標に向かって話し合っているはずが、いつの間にか重箱の隅をつつくような言い争いにすり替わってしまうことがあります。
そんな、物事の本質から外れた取るに足らない部分を指すのが、
「枝葉末節」(しようまっせつ)です。
意味
「枝葉末節」とは、物事の中心となる大事な部分(本質)から外れた、細かくて重要でない部分のことです。
- 枝葉(しよう):木の幹から分かれた枝と葉。転じて、主要ではない部分。
- 末節(まっせつ):木の先端や細かい節(ふし)。
物事の根幹を「木の幹」に見立て、そこから派生した先端部分を「取るに足らない些細な問題」として表現した四字熟語です。
「えだはまっせつ」と読まれることもありますが、正しくは「しようまっせつ」と音読みします。
語源・由来
「枝葉末節」に中国の古典などの特定の歴史的ストーリー(故事成語)はなく、木の構造を用いた純粋な比喩表現です。
古くから東洋の思想では、物事の根本や基礎を「本(幹や根)」、そこから派生するものを「末(枝葉)」と捉える考え方がありました。
「本末転倒(ほんまつてんとう)」という言葉があるように、「本(幹)」を差し置いて「末(枝葉末節)」にばかりこだわってしまう人間の心理を、植物の姿を借りて戒めた言葉と言えます。
使い方・例文
「枝葉末節」は、議論や計画が本筋から逸れて、重要ではない細かい部分にばかりこだわってしまっている状況で使われます。
- 会議が枝葉末節な議論に終始し、肝心の予算案が全く決まらなかった。
- 企画書のフォント選びなどという枝葉末節にとらわれず、まずは中身の構成を固めなさい。
- 彼はいつも他人の枝葉末節なミスばかりを指摘して、全体の進行を遅らせる。
類義語・関連語
「枝葉末節」と似た意味を持つ言葉には以下のようなものがあります。
- 本末転倒(ほんまつてんとう):
根本的な重要なこと(本)と、取るに足らない些細なこと(末)の優先順位を取り違えること。 - 些末(さまつ):
非常に細かいこと。取るに足らないこと。(例:些末な問題) - 末梢的(まっしょうてき):
中心から離れていて、重要でないさま。 - 木を見て森を見ず(きをみてもりをみず):
細かい部分に気を取られて、全体像を把握できないことのたとえ。
対義語
「枝葉末節」と反対に、物事の中心となる重要な部分を示す言葉です。
- 根本(こんぽん):
物事が成り立っている最も基礎となる部分。おおもと。 - 本質(ほんしつ):
そのものをそのものたらしめている、最も大事な性質。 - 骨子(こっし):
物事の計画や文章などの、中心となる重要な事柄。
英語表現
trivial details
直訳:些細な詳細
意味:取るに足らない細かい点。日常会話からビジネスまで幅広く使われます。
- 例文:
Let’s not get bogged down in trivial details.
枝葉末節にとらわれるのはやめましょう。(bog down=行き詰まる)
minor points
意味:重要でない点、些細な論点。
- 例文:
We spent too much time on minor points.
私たちは枝葉末節に時間をかけすぎた。
なぜ人は「枝葉」にとらわれてしまうのか
重要な会議ほど、本質的な議論が進まず、些細な点ばかりが白熱することがあります。
この現象は「パーキンソンの凡俗法則」として知られており、イギリスの歴史学者パーキンソンが1957年に提唱しました。
彼が例として挙げたのが、原子力発電所の建設審議委員会です。
原子炉の建設計画は専門的すぎて誰も口出しできず、あっさりと承認される。
ところが、同じ会議で発電所内の自転車置き場の設置が議題に上がると、素材の種類や台数など誰もが意見を言えるぶん、議論が果てしなく続く。
理解できる問題には口を出したくなる。
その素朴な心理が、気づけば議論を枝葉へと引き込んでいます。






コメント