個々の力だけでは到底届かないような高い壁を前にしたとき、人々の心が自然と共鳴し、一つの大きなうねりとなって動き出す瞬間があります。
同じ志を持つ者たちが手を取り合い、強固な結びつきを持って目標へと突き進む。
そんな状況を、「一致団結」(いっちだんけつ)と言います。
意味・教訓
「一致団結」とは、多くの人が一つの目的のために心を一つにし、強くまとまることを指します。
「一致」は二つ以上のものがぴったりと重なり合うこと、「団結」は多くの人が特定の目的のために固く結びつくことを意味します。
この二つが組み合わさることで、単なる協力関係を超えた、精神的な一体感を強調する言葉となっています。
- 一致(いっち):心や意見が一つになること。
- 団結(だんけつ):集団が固くまとまること。
語源・由来
「一致団結」という四字熟語そのものには、中国の古い物語(故事)のような特定の出典はありません。
「一致」という言葉は古くから漢籍などで使われていましたが、「団結」という熟語が現在のような「集団の結束」という意味で一般的に定着したのは、近代以降のことと考えられています。
江戸時代以前から、日本には集団の和を重んじる文化が根付いていました。
明治時代に入り、国家や組織としてのまとまりを強調するスローガン的な言葉として「一致」と「団結」が結びつき、現代のような四字熟語として広く浸透したという背景があります。
使い方・例文
共通の目標に向かって組織やチームが結束する場面で、その勢いや絆を表現する際に使われます。
例文
- 全員が一致団結して大会に挑む。
- クラスが一致団結し、文化祭を成功させた。
- プロジェクト完遂に向け、チームが一致団結する。
- 家族が一致団結し、この苦境を乗り越える。
類義語・関連語
「一致団結」と似た意味を持つ言葉には、協力の深さや規模に応じた表現があります。
- 戮力協心(りくりょくきょうしん):
全員が力を合わせ、心を一つにして物事に取り組むこと。 - 和衷共同(わちゅうきょうどう):
心の底から打ち解け合い、共通の目的のために協力すること。 - 挙国一致(きょこくいっち):
国全体が一つになって、重大な事態に対処すること。
対義語
「一致団結」とは対照的な意味を持つ言葉は、組織がバラバラで統一感のない状態を指します。
- 同床異夢(どうしょういむ):
同じ立場にいながら、考えていることや目的が全く違うこと。 - 烏合の衆(うごうのしゅう):
規律もなく、ただ寄り集まっただけのまとまりのない群衆。 - 支離滅裂(しりめつれつ):
まとまりがなく、バラバラに分かれて収拾がつかないこと。
英語表現
「一致団結」を英語で表現する場合、結束や協力の精神を強調する定型句を用います。
Unity is strength.
意味:団結は力なり
- 例文:We need to believe that unity is strength to win.
勝つためには、一致団結することが力になると信じる必要がある。
Pull together
意味:一丸となって協力する、結束する
- 例文:If we all pull together, we can succeed.
全員が一致団結すれば、成功を収めることができる。
まとめ
個人の力が尊重される時代でも、一人では成し得ないことは必ずあります。
「一致団結」は、共通の目的を持つ者たちが集まったとき、その力が足し算ではなく掛け算になることを教えてくれる言葉です。
壁に突き当たったとき、一人で抱え込まず、周囲と心を重ねてみてください。
想像もしなかった景色が、きっと見えてくるはずです。






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