雨上がりの地面から、筍が次々と顔を出す。その勢いで、似たような物事が続々と現れること。
それを「雨後の筍」(うごのたけのこ)と言います。
言葉の意味
「雨後の筍」は、ある出来事をきっかけに、似たような事柄が次々と現れることを表します。
単に数が増えるだけでなく、短期間に勢いよく、競い合うように出現する。
そのニュアンスが込められた言葉です。
語源・由来

「雨後の筍」の語源は、竹の芽であるタケノコの極めて早い成長速度にあります。
タケノコは雨が降った後に水分を十分に吸うと、一晩で数十センチメートル以上も伸びることがあり、その勢いは他の植物を圧倒します。
雨上がりの竹林で、あちこちから一斉にタケノコが顔を出す光景が、社会現象や流行が立て続けに起こる様子と重ね合わされました。
特定の古い物語や出典(故事)があるわけではなく、日本の自然観察から生まれた比喩が定着した言葉です。
使い方・例文
「雨後の筍」は、新しい技術や流行、あるいは似たような店舗が短期間に乱立する場面などで使われます。
活気がある肯定的な文脈から、質が伴わないものが溢れるといった皮肉めいた文脈まで、幅広く用いられます。
例文
- 新しいカフェが次々と開店し、まるで雨後の筍のようだ。
- SNS上では新語が雨後の筍のように生まれては消えていく。
- イベントの参加希望者が雨後の筍の勢いで集まった。
類義語・関連語
「雨後の筍」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 陸続(りくぞく):
絶えることなく、次から次へと続く様子。 - 輩出(はいしゅつ):
優れた人物が、続々と世に現れること。 - 百花斉放(ひゃっかせいほう):
さまざまな花が一斉に咲くように、多くの思想や芸術が活発に現れること。
「雨後の筍」は物事の出現そのものの勢いに焦点を当てますが、「輩出」は主に「人物」に対して使われるという使い分けがあります。
対義語
「雨後の筍」とは対照的な意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 閑古鳥が鳴く(かんこどりがなく):
人が寄り付かず、ひっそりと静まり返っている様子。 - 影も形もない(かげもかたちもない):
あったはずのものが消え失せたり、現れる兆しが全くなかったりすること。
英語表現
「雨後の筍」を英語で表現する場合、キノコ(mushroom)を用いた比喩が一般的です。
spring up like mushrooms
直訳:キノコのように急に現れる
意味:短期間に急増する、続出する
欧米ではタケノコよりも、雨後のキノコの成長スピードが身近な比喩として使われます。
- 例文:
New coffee shops are springing up like mushrooms all over the city.
新しいコーヒーショップが、街中に雨後の筍のように現れている。
筍の驚異的な成長速度
実際の筍の成長は、植物学的に見ても驚異的です。
竹には「節」がありますが、それぞれの節の成長点が同時に活動するため、先端だけが伸びる他の樹木とは比較にならない速さで背丈を伸ばします。
この圧倒的なスピード感を知ると、なぜ昔の人が「急激に増えること」の象徴として筍を選んだのか。その鋭い観察眼に納得させられます。
まとめ
「雨後の筍」は、自然の生命力に対する素直な驚きから生まれた、視覚的な表現です。
物事が一斉に動き出し、活気に満ち溢れる瞬間の勢いを、鮮やかに伝えてくれます。
流行の移り変わりが早い現代、社会の大きなうねりを感じたとき、この言葉を使ってみてください。
変化の激しさが、より鮮明に伝わるはずです。









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