意味
「意固地(いこじ)」とは、大したことでもないのに意地を張り通し、素直に折れようとしない頑なな態度のことです。
単なる信念の強さではなく、つまらないことに頑固になる点を言うため、よくない意味で使われます。
「依怙地」とも書きます。
語源・由来
「意固地」の成り立ちについては、「依怙地(えこじ)」の音が変化したという説があります。
これとは別に、「やり抜こうとする気力」を意味する「意気地(いきじ)」の音が変化したという説もあります。
使い方・例文
「意固地」は、非合理的であっても自分の意見や態度を曲げない人物の様子を表現する場面で使われます。
- 議論が平行線をたどり、双方が意固地になって一歩も譲らない。
- 彼女は一度決めたら意固地になる性格で、周囲の助言を一切聞き入れようとしない。
- 自分が間違っていたと気づいてからも、意固地を張って素直に謝ることができなかった。
類義語・関連語
「意固地」の類義語には、以下のような言葉が挙げられます。
- 頑固(がんこ):
かたくなで、自分の態度や考えを改めようとしない様子。 - 強情(ごうじょう):
意地を張り、自分の思い通りにしようとする性質。 - 片意地(かたいじ):
無理に自分の主張を通そうとする様子。 - 偏屈(へんくつ):
性質がねじけていて、素直でないこと。
「意固地」と「頑固」の違い
「意固地」と「頑固」はどちらも態度を変えない点では共通していますが、その動機と周囲に対する柔軟性に決定的な違いがあります。
| 言葉 | 意味の焦点 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 意固地 (いこじ) | 他者への反発や意地によるもの。 | 感情的で、理を欠くネガティブな印象。 |
| 頑固 (がんこ) | 自身の信念や考えの強さによるもの。 | 芯が強いというポジティブな評価も含む。 |
対義語
「意固地」の対義語には、以下のような言葉が挙げられます。
- 素直(すなお):
性格や態度がひねくれておらず、ありのままである様子。 - 柔軟(じゅうなん):
状況に合わせて適切に対応できる状態。 - 従順(じゅうじゅん):
性質が穏やかで、他人の教えによく従うこと。
英語表現
stubborn
意味: 頑固な状態。
意地を張っている様子。
He is too stubborn to apologize.
(彼は意固地になりすぎて謝ることができない。)
obstinate
意味: かたくなな様子。
強情な状態。
She remained obstinate in her decision.
(彼女は自分の決めたことに意固地にこだわり続けた。)
明治の小説の「依怙地」は天気にも使われた
明治の小説家・山田美妙は、『葛の裏葉』(1891年)で「依怙地な物は天氣、生憎にじめじめ降り出す」と書いています。
(意地の悪いことに天気は、あいにくじめじめと降り出す)という意味で、人ではなく天気を「依怙地」と言っています。
同じ山田美妙の『妙な夫婦』(1910年)では、何でも逆を言いたくなる妻が「依怙地だと言れりや猶素直に爲りますわ」と言い返します。
(意固地だと言われたら、なおさら素直になります)と、言われたことの逆をしてみせるせりふで、周りからは「依怙地だから素直だとさ」と笑われます。
今の「意固地」は人の性格や態度に使うのがふつうですが、美妙の小説では、思い通りにならない天気を言うのにも使われています。












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