意味
誹謗中傷とは、他人をけなしたり根拠のない嘘を広めたりして、相手の社会的評価を下げたり傷つけたりすることという意味です。
単なる悪口の域を超え、相手の心や社会的な立場に深刻なダメージを与える、非常に悪質でネガティブなニュアンスを持っています。
- 誹謗(ひぼう): 他人の悪口を言ってけなすこと
- 中傷(ちゅうしょう): 根拠のない嘘で他人の名誉を傷つけること
語源・由来
「誹謗」と「中傷」は、それぞれ古くから中国の歴史に登場する言葉です。
古代中国の伝説の帝王である堯(ぎょう)は、政治への不満や意見を民衆が自由に書き込めるよう、道端に「誹謗の木(ひぼうのき)」という柱を立てました。
当時の「誹謗」は「政治への正当な批判」という前向きな意味合いでしたが、時代が下るにつれて単なる「悪口」に変化しました。
一方の「中傷」は『漢書』(かんじょ:中国の歴史書)などに登場します。
「中」は食中毒のように「中(あた)る」ことを表し、相手の弱点を狙い撃ちにして言葉で傷つける行為を指していました。
この二つの言葉が結びつき、根拠のない噂や悪意で他人を深く傷つける行為をより強調して表現するようになりました。
使い方・例文
- インターネット上での誹謗中傷が大きな社会問題になっています。
- 根拠のない誹謗中傷は決して許されるべきではありません。
類義語・関連語
「誹謗中傷」の類義語には、以下のような言葉が挙げられます。
- 名誉毀損(めいよきそん):
事実の有無に関わらず、公然と事柄を提示して他人の社会的評価を低下させること。 - 罵詈雑言(ばりぞうごん):
汚い言葉を並べて、相手をひどくののしること。 - 悪口雑言(あっこうぞうごん):
様々な悪口を、遠慮なく言いたい放題に言うこと。
「誹謗中傷」と類義語の違い
誹謗中傷と名誉毀損はどちらも他人の評価を下げる行為ですが、内容が事実であるかどうかに決定的な違いがあります。
誹謗中傷は根拠のない嘘を言いふらす行為を指しますが、名誉毀損は事実であっても公然と広めることで成立する法的な概念です。
| 語句 | 内容の真偽 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 誹謗中傷 (ひぼうちゅうしょう) | 根拠のない嘘 | 他人を悪く言う一般的な行為 |
| 名誉毀損 (めいよきそん) | 真偽を問わない | 社会的評価を下げる法的な概念 |
対義語
「誹謗中傷」の対義語には、以下のような言葉が挙げられます。
- 称賛(しょうさん):
素晴らしいと褒めたたえること。 - 賛辞(さんじ):
相手を褒めたたえる言葉のこと。
英語表現
defamation
意味: 他人の名誉を傷つけること
Online defamation has become a serious social issue.
(インターネット上の誹謗中傷は深刻な社会問題になっています。)
slander / libel
意味: 口頭による名誉毀損(slander)と、文書やネット上での名誉毀損(libel)
Spreading false rumors online can constitute libel.
(インターネット上で虚偽の噂を広めることは誹謗中傷にあたる場合があります。)
古代中国で「誹謗」は皇帝を批判する重罪だった
「誹謗」はもともと中国古代において、王や皇帝を批判する行為を指す言葉であり、時代によっては重い罪に問われることもあった概念です。
伝説上の聖王とされる堯は、道に「誹謗の木」と呼ばれる木の柱を立て、人々が政治への不満や批判を自由に書き込めるようにしたと伝えられています。
春秋時代には、君主の権威は絶対的なものではなく、政治の過ちを批判することは当然とする考え方も存在しました。
しかし秦の末期になると、誹謗は重罪として厳しく取り締まられるようになりました。
「中傷」は、根拠のない話で人をおとしめることを意味する言葉です。
「誹謗」と組み合わさることで、根拠のない悪口によって他人の名誉を傷つける行為全般を指す「誹謗中傷」という言葉になりました。










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