意味
「馬鹿の三杯汁(ばかのさんばいじる)」とは、招かれた先で出された料理を、遠慮もせずに何度もおかわりしてしまうことです。
もてなしを受ける側としての作法をわきまえない、無遠慮な振る舞いをあざける場面で使われます。
語源・由来
「馬鹿の三杯汁」は、汁物のおかわりは二杯目までにとどめ、三杯も求めるのは作法を知らない者のすることだ、という戒めです。
使い方・例文
「馬鹿の三杯汁」は、他人の家での無遠慮なおかわりをたしなめる場面で使われます。
- 馬鹿の三杯汁というから、おかわりは一杯にとどめておこう。
- 祖母から「馬鹿の三杯汁にならないように」とよく言われた。
- 作法の話になると、決まって馬鹿の三杯汁が引き合いに出される。
類義語・関連語
「馬鹿の三杯汁」と同様に、食事の場での作法を説く言葉には、以下のようなものがあります。
- 阿呆の三杯汁(あほうのさんばいじる):
「馬鹿の三杯汁」と同じ意味で使われる、関西などでの言い方。 - 居候三杯目にはそっと出し(いそうろうさんばいめにはそっとだし):
居候は世話になっている手前、飯のおかわりも遠慮がちになるということ。
英語表現
mind your manners
「行儀に気をつけなさい」という意味で、食事の作法を含めた振る舞いを戒める表現。
Remember to mind your manners at the table.
(馬鹿の三杯汁にならないよう、食卓での作法に気をつけなさい。)
汁は二杯まで、明治の笑い話と大正の理科の本
明治の終わりの笑い話の本『抱腹百話』(1910年)に、このことわざを使ったひと幕があります。
招かれた家で汁を何十杯もおかわりする男に、給仕が「馬鹿の三杯汁と言って、汁は二杯までと決まっている。そう何杯も飲まれては、後のお客に出す分がなくなる」と注意します。
男は、おいしいうちにたくさん食べて、招いてくれた主人の厚意を無駄にしないのだ、と言い返します。
大正の『衣食住に関する日用理科講義』(1917年)という理科の本では、汁物は実と汁を一緒にとるので栄養は損なわれないが、飲み過ぎると消化を害するので、昔から「馬鹿の三杯汁」と言って戒めてきた、と説明しています。
笑い話はほかの客への配慮を、理科の本は飲み過ぎの害を理由に挙げていて、同じことわざでも戒める理由が違います。










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