災害の混乱に乗じて、避難した住宅から金品が盗まれるという痛ましい事件が後を絶たない。
そんな卑劣な行為を表すのが、「火事場泥棒」(かじばどろぼう)です。
意味
「火事場泥棒」とは、他人の不幸や混乱につけこんで、不当な利益を得る卑劣な行為という意味です。
もとは実際の火事場での盗みを指す言葉でしたが、現在では災害に限らず、混乱や隙に乗じてずる賢く立ち回る人物や行為を強く非難する際に使われます。
語源・由来
「火事場泥棒」は、その名の通り、火災の現場での実際の盗みに由来する言葉です。
火事が起きると、住人は消火や避難に気を取られ、家財の管理どころではなくなります。
この混乱に乗じて、消火活動を装いながら家に入り込み、金品を盗み出す不届き者が古くから存在しており、こうした人物が「火事場泥棒」と呼ばれるようになりました。
使い方・例文
「火事場泥棒」は、混乱や不幸に乗じてずる賢く利益を得る行為を非難する場面で使われます。
- 災害後の混乱に乗じた火事場泥棒が相次いだ。
- ライバル企業の不祥事につけこむのは、火事場泥棒のようなやり方だ。
- 混乱の隙に契約を奪う行為は、火事場泥棒と非難された。
類義語・関連語
「火事場泥棒」と同様に、他人の弱みや混乱につけこむ行為を表す言葉には、以下のようなものがあります。
英語表現
a looter
災害や暴動などの混乱に乗じて略奪を働く人を指す表現。
Several looters were arrested after the disaster.
(災害後、複数の火事場泥棒が逮捕された。)
災害に便乗した悪徳商法という現代の「火事場泥棒」
現代では、実際に人の家から物を盗む古典的な火事場泥棒だけでなく、災害の混乱につけこんだ新しい形の被害も報告されています。
不安に付け込んで高額な修理を持ちかける訪問業者や、義援金をかたる詐欺など、直接盗みを働かなくても、他人の不幸を利益に変えようとする行為は、広い意味で「火事場泥棒」的な振る舞いとして厳しく非難されます。
災害時には、通常であれば機能しているはずの監視や防犯の目が行き届きにくくなるため、こうした行為がつけ込む隙を生みやすいという構造は、今も昔も変わりません。
「火事場泥棒」という言葉が持つ強い非難のニュアンスは、危機の最中に人としての最低限の倫理さえ踏みにじる行為への、社会的な怒りの大きさを反映しています。









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