意味
「お手盛り」とは、自分や身近な人間に有利になるよう、物事を取り計らうことです。
個人の性格というより、権限を持つ立場の人間が、その権限を利用して自らを優遇する構造的なずるさを指す言葉です。
- 手盛り(てもり):自分の手で食べ物を器に盛ること。
- お(お):丁寧・婉曲を表す接頭語。
語源・由来
「お手盛り」は、もともと料理を自分の手で器に盛ることを指す言葉でした。
給仕役によそってもらう場合、量をどのくらいにしてほしいとは言い出しにくいものですが、自分の手で盛るのであれば、遠慮なく好きなだけよそうことができます。
この、誰にも咎められずに自分の取り分を自由に決められる構図が、やがて権限のある立場の人間が、自らの給与や予算を都合よく決めてしまうことのたとえとして使われるようになりました。
使い方・例文
「お手盛り」は、組織や行政の運営において、権限を持つ側が自らを優遇する決定を批判する場面で使われます。
例文
- 役員報酬をお手盛りで決めたと批判を浴びた。
- お手盛りの予算編成は、住民の理解を得られない。
- 自分たちに有利な規則をお手盛りで作った。
- 審査基準がお手盛りでは公平とは言えない。
類義語・関連語
「お手盛り」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 我田引水(がでんいんすい):
自分に都合よく物事を進めること。 - 公私混同(こうしこんどう):
公的な立場と私的な利益を混同すること。 - 利益誘導(りえきゆうどう):
自分や関係者の利益になるよう、権限を使って物事を進めること。
対義語
「お手盛り」とは対照的な意味を持つ言葉は、以下の通りです。
英語表現
self-dealing
自己取引、お手盛り
権限を持つ人物が、その立場を利用して自分の利益を図る行為を指す表現。
The board was accused of self-dealing when approving their own bonuses.
(役員会は自らの賞与を承認したことでお手盛りと非難された。)
feather one’s own nest
私腹を肥やす
地位や権限を使って自分の利益を蓄える様子を表す慣用句。
He used his position to feather his own nest.
(彼は自分の立場を利用してお手盛りの利益を得た。)
自分でよそえば、いくらでも盛れる
「お手盛り」はもともと、給仕をする人によそってもらうのではなく、自分自身の手で食べ物を器に盛ることを指す言葉だった。
人によそってもらう場合は量をあれこれ注文しにくいが、自分で盛る場合は遠慮なく好きなだけ盛ることができる。
この「自分の分は自分の思いどおりにできる」という状態が、次第に比喩として使われるようになった。
特に、権限を持つ立場の人間が、自分たちに都合のよい予算や待遇を自分たちの手で決めてしまう様子を指すようになる。
周囲が異を唱えにくい状況で、決定する側と利益を得る側が同じ人間であるという構造そのものが問題視され、「お」を冠した皮肉な言い方として「お手盛り」は定着した。










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